【木の枝で歯磨き?】スーダンで見かける「ミスワーク」
スーダンの街を歩いていると、ときどき細い木の枝を口にくわえている人を見かけます。これは、「ミスワーク(miswāk/مِسْوَاك)」と呼ばれる、歯や口腔のケアに使われる道具です。
ミスワークは市場やバスターミナルなどでも売られています。木の枝を使うというシンプルな方法ですが、口腔ケアの道具として長く使われてきただけでなく、その効果については現在も研究が続けられています。
ミスワークってどんなもの?
ミスワークは、サルバドーラ・ペルシカ(Salvadora persica)という木の枝から作られる天然の歯ブラシです。サルバドーラ・ペルシカは、アフリカや中東、南アジアなどの乾燥した地域に生育する植物で、地域によっては食用や薬用などにも利用されています。 枝の先端を少し噛むと繊維がほぐれ、ブラシのような状態になります。その部分を使って、歯や歯ぐきを磨きます。歯磨き粉を使わず、そのまま使うのも特徴の一つです。
ミスワークは、中東やアフリカ、南アジアなどで長く使われてきました。イスラム教とも結びつきがあり、預言者ムハンマドの言行を記録したハディースの中にも、ミスワークについての記述があります。
スーダンでも、ミスワークは身近な口腔ケアの道具の一つです。市場やバスターミナルなどで販売されているほか、街中で使っている人を見かけることもあります。
「木の枝で歯磨き」に科学的な研究も
「本当に木の枝で歯をきれいにできるの?」そう感じる方もいるかもしれません。ミスワークについては、これまでに多くの研究が行われています。特に、歯垢の除去や口腔内の細菌、歯肉の状態などへの影響が調べられており、歯垢の抑制や口腔内の衛生に役立つ可能性が示されています。
その働きには、枝の繊維による物理的な清掃作用に加え、サルバドーラ・ペルシカという木に含まれるさまざまな成分が関係していると考えられています。抗菌作用を示す成分についても研究されています。
ただし、研究によって条件や結果は異なり、ミスワークが通常の歯ブラシより優れていると一概に言えるわけではありません。 また、ミスワークを使えばフッ化物配合歯磨き粉が不要になる、ということでもありません。
長く使われてきた道具について、その働きが現代の研究によって調べられていることも、興味深いところです。
スーダンの暮らしの中にあるミスワーク
スーダンでは、歯ブラシを使った歯磨きが一般的です。一方、ミスワークも身近な場所で売られています。市場やバスターミナルなどの露店、出先でミスワークを買っている男性を何度か見かけました。
