【ラマダン前は大忙し!】断食月を迎えるスーダンの暮らし
イスラム教徒にとって一年で最も大切な時期の一つ、ラマダン(断食月)。
日本では「断食」と書くことから一切食事をとらないと思っていた、という声も聞かれますが、ラマダン中の一か月は”日の出から日没まで”、飲食を控えます(喫煙も!)。日没後には断食明けの食事「イフタール」として、家族や親族、親しい人と食卓を囲む機会も増えます。
ラマダン前、スーダンの家庭は大忙し
ラマダンが近づくと、スーダンの家庭では少しずつ準備が始まります。
ラマダン中は毎日のイフタールのため、普段以上に食材を使います。乾燥玉ねぎなど、断食月に欠かせない食材や飲み物を手作りしたり、砂糖、小麦粉・穀物、油、豆類、デーツ、香辛料などをあらかじめ買いそろえる家庭もあります。
特に郊外や村落部では、家族や親族が協力しながら、こうした保存食を家庭で作ることが珍しくありません。市場やスーパーでも、ラマダンに向けた食材や飲料が並び、普段とは少し違った雰囲気になります。
「甘い」と「苦い」の名前を持つラマダンの風物詩「ヘルモル(アブレ)」
ラマダン前になると、多くの家庭で作られるのが、伝統飲料「ヘルモル(アブレ)」です。
ヘルモルという名前は、アラビア語の「ヘルウ(甘い)」と「モル(苦い・酸味)」に由来するといわれています。飲み物自体は、発酵による酸味と、たっぷり加える砂糖の甘さが特徴です。
スーパーや市場では、板状に乾燥させたヘルモルが並びます。家庭で作る場合も、この板状の状態まで仕上げて保存し、飲むときに水に浸してジュースを作ります。
ヘルモル作りは手間のかかる作業です。穀物を発酵させ、スパイスを加えた生地を薄く焼き、それを乾燥させて作ります。現地では、「作るのは大変(モル)だけれど、断食明けに飲むと最高においしい(ヘルウ)」という意味を重ねて語られることがあります。こうした作業は、家族や親族、近所の人と協力しながら準備することもあります。
40℃を超える暑さの中で何日もかけて仕込み、ラマダン中の断食明けに家族みんなで飲む一杯は、特別な存在です。
保存食づくりもラマダン前の大切な仕事
ラマダンを迎える前には、乾燥玉ねぎや乾燥オクラなど、料理に使う保存食を準備する家庭もあります。
大量の玉ねぎをスライスして乾燥させたり、乾燥オクラを粉末状にして保存し、日中の断食を行いながら、来客が増えるなど食事の準備が多くなる、ラマダン期間中に活用されます。
また下の写真は、小麦を薄く焼いた生地を乾燥させたルガーグと呼ばれる保存食です。乾燥させた生地を細かく砕いたような形で保存でき、そのまま食べたり、牛乳などを加えて柔らかくして食べることもあります。ルガーグは、ラマダン中の日の出前にとる食事「スフール」の定番の一つとしても親しまれています。
ラマダン期間中の食事を支えるため、こうした保存食の準備が行われています。
