【学ぶことで広がる世界】スーダンの学びを支える人々
時間になるとチャイムが鳴り響く校舎、机が整然と並ぶ教室。私たちが見慣れた学校の姿はここにはありません。
あるのは大きな木の下に集まるたくさんの子どもたちと、一枚の木の板。
学ぶ場所は、ひとつではない
スーダンでは、日本と同じように教室で授業を受ける子どもたちがいる一方で、木陰などを学びの場として活用している地域もあります。
大きな木の下に集まり、先生の話に耳を傾ける子どもたち。その前には一枚の木の板が置かれ、先生が文字を書いていきます。風が吹けば砂ぼこりが舞い、厳しい暑さの中で授業が行われることもあります。気温が50度に達することもある環境の中でも、子どもたちは真剣な表情で学びに向き合っています。
日本で多くの人が思い浮かべる学校の風景とは異なるかもしれません。しかし、そこにある「学びたい」という思いは、場所が変わっても同じです。
限られた環境の中で、学びの場をつくる
日本では「学校」と聞くと、校舎、机や椅子が均等に並ぶ教室を思い浮かべる人が多いでしょう。一方スーダンでは、教室不足や過密な学習環境が長年の課題となっていました。ユニセフは、内戦以前の教育状況について、公立学校では利用可能な教室のうち恒久的なものは約60%で、1教室あたり平均76人の児童が学んでいたと報告しています。
そのため、教室が不足している地域では、大きな木陰を授業の場として活用したり、木の板を黒板代わりに使ったりすることがあります。こうした環境の中でも、先生や保護者、地域の人々は、子どもたちが学び続けられるよう、それぞれの地域に合った方法を考えています。
学ぶことで広がる世界
学校は、読み書きや計算を学ぶ場所というだけではありません。
文字を読めるようになることは、自分で情報を得る力につながります。健康や生活に関する情報を知ったり、社会で起きていることを理解したり、自分自身で考え、選択したりするための土台になります。
また、学校は子どもたちが集まり、学んだことを家庭や地域へ持ち帰る場所でもあります。
一人の子どもが得た知識や経験が、家族や周囲の人々へ広がっていくこともあります。教育は、子ども一人ひとりの可能性を広げるだけでなく、地域全体の未来にもつながっています。
内戦下でも続く学びへの取り組み
もともと教育環境に課題を抱えていたスーダンですが、2023年4月に始まった内戦によって、状況はさらに厳しくなりました。学校が被害を受けたり、避難してきた人々の滞在場所として利用されたり、教師や子どもたちが避難を余儀なくされた地域もあります。
その一方で、学びを続けるための新しい取り組みも行われています。
私立学校などではオンライン授業を取り入れる動きがあり、国際機関などもデジタル教材を活用した学習支援を進めています。学ぶ場所や方法は変わっても、子どもたちの学ぶ機会を守ろうとする取り組みが続いています。
学びを支える人々
教育は、教室や校舎があるだけで成り立つものではありません。先生、保護者、地域の人々、そして子どもたち自身。それぞれが役割を持ちながら、学びの場を支えています。
木陰が教室になることもあれば、オンラインで授業を受けることもあります。大切なのは、どこで学ぶかだけではなく、学ぶことで子どもたちの世界が広がっていくことです。
スーダンの学校の姿を知ることは、教育とは何か、学ぶとはどういうことかを、私たち自身が考えるきっかけになるかもしれません。
