【10:30の「朝食」が1日で最重要】スーダンの食事リズムに驚く

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【10:30の「朝食」が1日で最重要】スーダンの食事リズムに驚く

皆さんは、朝ごはんをきちんと食べていますか?

厚生労働省の調査によると、日本人の朝食欠食率(朝ごはんを抜いている人の割合)は、男性15.0%、女性10.2%。特に20代では、男性30.6%、女性23.6%と、若い世代ほどその割合が高くなっています。

忙しい朝に食欲がわかない、時間がない。そんな理由から、日本では、朝ごはんはいつの間にか「食事の中で一番軽視される存在」になりつつあります。

そんな今だからこそ、スーダンの朝の過ごし方を知ると、「朝食」という概念そのものを見直すきっかけになるかもしれません。

スーダンの「朝食」は、10:30からはじまる

スーダンの「朝食」は、10:30からはじまる

スーダンでまず戸惑うことのひとつが、食事のタイミングです。

早朝、家庭では甘いミルクティーが用意され、「ザラービア」と呼ばれる丸い揚げドーナツや、クッキーのような軽いお菓子が出てきます。一見すると朝食のようですが、現地の人々にとってこれは朝ごはんではありません。

これはあくまで「早朝の軽食」。食事ではなく、目覚めのための軽い一服のような位置づけです。

そして、本番の朝食(ファトゥール)は、午前10時から11時ごろに始まります。日本の感覚では、少し早めの昼食の時間帯です。しかもその内容が、想像以上にボリュームのある食事なのです。

10:30の朝食には何が並ぶのか
チーズのかかったフール

10:30の朝食には何が並ぶのか

スーダンの朝食の定番は、「フール」と呼ばれる料理です。
そら豆をやわらかく煮込み、塩やチーズ、ごま油などで味付けしたもので、家庭ごとに、豆をつぶすか、形を残すかといった違いがあります。

そこに加わるのが、「ターメイヤ」。そら豆やひよこ豆をすりつぶして揚げた、スーダン風のコロッケのような食べ物です。

主食としては、乾燥地でも育つ穀物のソルガムや小麦粉で作る「キスラ」や「グラーサ」と合わせて食べます。さらに肉や野菜の煮込み料理が添えられることもあり、食卓にはしっかりとした品数が並びます。

【10:30の「朝食」が1日で最重要】スーダンの食事リズムに驚く
大鍋でつくられるミルクティー

一方、早朝の軽食で登場する「ザラービア」は、小麦粉の生地を揚げて砂糖をまぶした素朴なお菓子です。ミルクティーと一緒に楽しむのが定番で、おやつとしても親しまれています。

そしてスーダンのミルクティーも特徴的です。日本で飲まれる一般的なミルクティーとは異なり、ミルクで茶葉を煮出し、濃厚な味わいです。スーダンではこうしたミルクティーは「シャーイ・ビ・ラバン」と呼ばれ、路上のお茶屋さんでも日常的に楽しまれています。なかには、ミルクを鍋で少し焦がしてから茶葉を加えるという、独特の製法で作られるものもあります。

なぜ「朝食」が遅くて、がっつりしているのか
職場で仲間と朝食をとる

なぜ「朝食」が遅くて、がっつりしているのか

この背景は定かではないものの、スーダンの気候と生活リズムが関係していると考えられます。

スーダンの人々は、夜明け前から早起きして活動を始め、暑さが本格化する前に、家事や仕事を進めます。朝いちばんに十分に食べるより、涼しいうちに先に活動を始め、後からしっかり食べるという生活スタイルが定着しています。

また、スーダンはイスラム文化圏であり、食事は人とともに時間をかけて楽しむものという意識が根付いています。 一人で急いで食べるのではなく、人が集まる時間に合わせて、ゆっくり食べ始める。その結果として、「遅めの朝食」というリズムが自然と形づくられているのかもしれません。

早朝に軽く口にし、少し遅い時間にしっかり食べるという、この“二段構え”のスタイルは、気候・文化・宗教が重なり合って生まれたものと考えられます。

朝ごはんの在り方を見直そう

朝ごはんの在り方を見直そう

日本でも「朝食は大切」と言われますが、実際には後回しにされがちです。農林水産省の調査でも、時間の余裕のなさが朝食欠食の一因とされています。

一方スーダンでは、忙しい早朝であっても「朝のお茶」で一息つき、10時半になったら仕事の手を止めて食事をとります。食事は単なる栄養補給ではなく、一日のなかで守られるべき大切な交流の時間として位置づけられているのです。

もちろん、どちらが正解とは言えません。気候や生活スタイル、文化も違います。それでもスーダンの朝食から学べることがあるとすれば、「食事の時間を、もう少し意識的に整えてみる」という視点かもしれません。

コンビニのパンを移動中に食べるより、ほんの少し早く起きて、温かいものを口にする。スーダンの食卓を眺めながら、そんな朝の時間を考えてみてはいかがでしょうか。