【何でも揃う魔法の市場】スーダンの「スーク」で見つけた商店街の原風景

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【何でも揃う魔法の市場】スーダンの「スーク」で見つけた商店街の原風景

香辛料の香りと砂埃、売り子の声が入り混じる迷路のような市場「スーク」。食材から衣類、家具、骨董品、生きた動物までそろうと言われ、人々の暮らしの真ん中にあり続けてきた場所です。にぎやかで雑多で、それでいて日々の生活がそのまま見えてくる、そんな市場の風景をご紹介します。

迷路の先にある、生活の動線と活気

迷路の先にある、生活の動線と活気

スークに一歩足を踏み入れると、狭い通路の両側に店が連なり、視界いっぱいに商品が広がります。整然と区画分けされた商業施設とは異なり、通路は入り組み、似たような商品を扱う店が近くに集まっていることも多く、初めてだと全体像はつかみにくいかもしれません。

ただ、歩いているうちに少しずつ「まとまり」が見えてきます。野菜や穀物を扱う一角、布や衣類が集まる通り、電化製品や日用品を扱うエリアなど、大まかな流れがあり、人々はそれを頼りに必要なものを探していきます。

そして何より印象的なのは、その活気です。売り手の呼びかけ、行き交う人の流れ、荷物を運ぶ音や会話が重なり合い、市場全体が絶えず動いています。舗装されていない地面に砂埃が舞い、停電で明かりが落ちることもありますが、携帯のライトや懐中電灯を使いながら営業は続きます。そうした環境も含めて、この場所が日常の延長線上にあることを実感させられます。

さらに歩みを進めると、その品ぞろえの幅広さにも気づきます。食材や衣類にとどまらず、調理器具や大型の生活用品、ベッドや金属製のドアといった大型の家具や建具類、さらには生きた動物まで扱う店が並び、生活に必要なあらゆるものがそれぞれの区画で売られています。ひとつの市場の中に、暮らしのあらゆる側面が凝縮されているような感覚です。

交渉が肝!値札のない買い物を楽しむ

交渉が肝!値札のない買い物を楽しむ

スークでの買い物は、あらかじめ決められた価格を支払うだけでは完結しません。多くの商品に値札はなく、店主とのやり取りの中で価格が決まっていきます。提示された金額に対して言葉を返し、互いに納得できるところを探る。その過程が自然に組み込まれています。

やり取りは簡潔なこともあれば、少し長引くこともありますが、いずれにしても一方的に価格が提示されて終わるわけではありません。買い手と売り手の間にあるのは、単なる売買以上の“関係性”です。同じ店を繰り返し利用することで、顔を覚えられたり、やり取りがスムーズになったりと、通うほどに変化が生まれていきます。

スーダン最大規模の市場「スーク・オンドルマン」

スーダン最大規模の市場「スーク・オンドルマン」

スーダンで最もよく知られるスークのひとつが、首都圏にある「スーク・オンドルマン」です。規模の大きさと商品の多様さで知られ、国内各地から人や物が集まる拠点となっています。

通りごとに扱う品が分かれており、生鮮食品、金細工や伝統工芸品、日用品、衣類など、それぞれの専門店が並びます。歩くだけでも市場の広がりを実感でき、同時にスーダンの商業の中心の一端を垣間見ることができます。

観光地として紹介されることもありますが、ここもまた日常の延長にある場所です。特別に整えられた空間ではなく、人々が実際に使い続けている市場だからこそ、その活気や空気感がより鮮明に伝わってきます。

人々の生活を支える商店街としてのスーク

人々の生活を支える商店街としてのスーク

スークを歩いていると、日本の昔ながらの商店街を思い出します。専門店が軒を連ね、それぞれが生活に必要な役割を担っている点はよく似ています。大規模なスーパーやショッピングモールとは違い、複数の店を回りながら必要なものをそろえていくスタイルです。

手間はかかりますが、用途に応じて店を選べる柔軟さがあります。食材を扱う店、日用品をそろえる店、修理に必要な部品を探せる店——それぞれが独立しながらも、ひとつの生活圏として機能しています。

スーダンのスークは、「何でも一か所で完結する便利な場所」ではなく、人々が日々の暮らしの中で使い分けていく“商店街”に近い存在です。にぎやかで雑多な風景の中に、生活のリズムと工夫がそのまま表れている。そんなあり方こそが、この市場の魅力なのかもしれません。