【暑い国から対策を学ぶ】スーダン式「暑い時間は休む」という賢い選択
40度を超える暑さと強い日差し。そんな環境の中で、人はどのように日々を過ごしているのでしょうか。スーダンで目にしたのは、「暑い時間は無理に動かない」という、ごく自然で現実的な選択でした。過酷な気候の中で続いてきたその暮らし方には、無理なく生きるための工夫が詰まっています。
命の危険を感じる暑さ……
スーダンでは、日中の気温が40度を超えることも珍しくありません。雨季を除くと、湿度は低く、乾燥した空気が続きます。問題は気温の高さだけではなく、強烈な日差しです。直射日光の下では短時間でも体力が奪われ、屋外にいること自体に危険を感じるほどです。湿度の高い日本の猛暑とは質の異なる過酷さがあります。
「昼は休む」というより「避ける」
スーダンでは、スペインなどで見られる「シエスタ(昼に長く休む習慣)」のように、仕事中の長い昼休憩が制度として設けられているわけではありません。
一方、仕事から離れている時間には、暑さの厳しい時間帯にまとまって休む過ごし方も見られます。
日常の感覚としては、暑さが厳しい時間帯の活動そのものを避ける、という側面が強いです。屋外での家事等は、早朝の比較的涼しい時間帯に済ませたり、日が傾いてから再開したりします。日中にどの程度頑張るかは、その日の気候や状況に応じて自然に調整されているように感じます。
外出は夕方以降が中心に
日中は強い日差しを避けるため、仕事や学校以外は自宅で過ごしたり、友人や親戚の家を訪ねたりと、屋内で過ごす時間が多くなります。暑さの厳しい時間帯に無理に外へ出ることはあまりありません。
一方で、夕方になると気温が下がり、外出しやすくなります。過ごしやすい気温になってから、お茶を飲みに出かけたり、買い物に出かけたりと、屋外での行動が増えていきます。
例えば週末などは、日中は屋内でゆっくり過ごし、気温が落ち着いてから街に出かける、という過ごし方がよく見られます。気候に合わせて過ごし方を切り替えているのが特徴です。
建物も「暑さ前提」でつくられる
スーダンの都市部で見られる比較的設備の整った住宅では、暑さ対策が設計に組み込まれています。例えば、外からの熱を抑えるために窓は小さめに設計され、直射日光が入りにくくなっているマンションも見られます。
壁を厚くして外気の影響を和らげたり、日差しを遮りつつ風を通す構造にしたりと、「光を取り入れる」よりも「熱を遮る」ことが優先されます。日本の住宅とは発想が大きく異なる点です。
無理をしない!調整の感覚を大切に
日本では「多少無理をしてでも予定通りに動く」ことが求められる場面もありますが、スーダンでは暑さの強さに応じて行動を調整する場面が多く見られます。
結果として、物事の進み方がゆるやかに見えることもありますが、そうした調整の積み重ねが、過酷な暑さの中で無理なく暮らすための一つの知恵として機能しているようにも見えます。
近年、日本でも猛暑が常態化しつつあります。それでも従来の時間割や働き方を維持しようとする場面は少なくありません。
スーダンの暮らしは、暑さに抗うというより、暑さを前提に成り立っています。「暑い時間は休む」という行動も、その一部です。
スーダンの暮らしから見えてくるのは、「気温に合わせて動く時間を変える」という発想です。すべてをそのまま取り入れることは難しくても、暑い時期は屋外での作業を朝や夕方にずらす、日中の負担を減らすといった工夫は、無理のない選択肢の一つかもしれません。
気候が変わりつつある今、日本でも同じ問いが突きつけられています。無理を重ねるのか、それとも前提を見直すのか。選び方によっては、日々の負担を少し軽くできるかもしれません。
