【逆さまの木!?】スーダンで親しまれるバオバブの実
スーダンの乾燥地帯では、ひときわ目を引く大きな木に出会うことがあります。太い幹と、枝が根のように広がる独特の姿から「逆さまの木」と呼ばれることもあるバオバブの木です。
写真やテレビで見たことがあるという方も多いかもしれません。アフリカを代表する樹木のひとつとして知られています。
バオバブってどんな木?
バオバブは、何百年も生きるといわれる非常に長寿の木です。太い幹には水分を蓄えることができ、乾燥した環境でも生き抜く力を持っています。
乾燥した地域で植物は育ちにくいという印象を持つ人もいるかもしれませんが、バオバブはサバンナや半乾燥地帯といった環境の中で、長い年月をかけて成長しています。
また、バオバブには大きく白い花が咲くのですが、夜に開花して短い時間だけ咲くことでも知られています。
スーダンのどこに生えている?
スーダンは国土の多くが乾燥地帯ですが、すべてが砂漠というわけではありません。南に向かうほど少しずつ緑が増え、地域によっては草原や農地が広がるなど、多様な自然環境が見られます。
バオバブは主に中南部など、比較的雨が降る地域で見られます。乾燥地帯の中でも、水分のある場所に根付きながら、ゆっくり成長します。
北コルドファン州のマークにも使われるバオバブ
バオバブは、その土地の自然や暮らしと結びついた存在でもあります。スーダン中部の内陸部に位置し、首都ハルツームの南西に広がる北コルドファン州では、地域を象徴する木のひとつとして親しまれています。
乾燥した気候の中で、実や葉は食料として、樹皮はロープなどの材料として利用されるなど、人々の暮らしを支えてきたことから、特別な存在として受け継がれてきました。
州章にもその姿が描かれ、地域の看板やパンフレットなどにも登場するなど、北コルドファン州を代表するシンボルとなっています。
バオバブの実
バオバブの実はとても大きく、ものによっては長さ20〜30cmほどになることもあります。楕円形で、表面にはやや粉を帯びたような質感があり、ずっしりとした見た目です。外側の殻は非常に硬く、割る際にはハンマーや石などの道具を使うこともあります。
実の中には白っぽい粉状の果肉がたくさん詰まっており、その中に1~2センチ程度の黒〜茶色の種が含まれています。種の形は丸みがあり、中にはハート型のように見えるものもあります。
この白い粉状の果肉は、乾燥した状態ではさらさらとした粉のような質感で、さっぱりとした風味が特徴です。この果肉は水に混ぜて飲み物としても利用されていて、バオバブの実の主な使い方のひとつになっています。
スーダンでは、このバオバブを使った飲み物が日常的に親しまれており、乾燥した地域で水分や栄養を補う手段として暮らしの中に根付いてきました。
バオバブから見えるスーダンの自然と暮らし
日本では“スーパーフード”として紹介されることもあるバオバブですが、スーダンでは特別なものというよりも、昔から身近な自然の恵みとして暮らしの中に存在してきました。
その実は食材や飲み物として活用され、厳しい自然環境の中でも、人々の生活を支える身近な資源となっています。