【いつもの暮らしと健康】スーダンで病気と付き合う人々

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【いつもの暮らしと健康】スーダンで病気と付き合う人々

スーダンでは、マラリアやコレラなどの感染症とともに、糖尿病や高血圧などの非感染性疾患(NCDs)も、人々の健康に深く関わっています。
薬を飲む。食事の時間や内容に気を配る。定期的に診察を受ける。そうした健康管理は、仕事や食事など、日々の暮らしの中にあります。

スーダンの健康と非感染性疾患

非感染性疾患(Noncommunicable Diseases/NCDs)は、人から人へ感染する感染症とは異なり、長い期間にわたって治療や健康管理が必要になることの多い疾患です。代表的なものに、心血管疾患、がん、糖尿病、慢性呼吸器疾患などがあります。

WHO(世界保健機関)によると、内戦が始まる前のスーダンでは、非感染性疾患が死亡原因の約半数を占めていました。マラリアやデング熱、コレラなどの感染症への対策とともに、非感染性疾患への対応も人々の健康に関わる重要な課題です。 

一人の人が、非感染性疾患と感染症の両方に向き合うこともあります。糖尿病などの持病は、感染症の発症や重症化のリスクに影響することもあります。 

糖尿病と付き合う日常

糖尿病は、血液中の糖(血糖)が多い状態が続く病気です。血糖値を調整するインスリンというホルモンの分泌や働きが不足することで起こり、適切な治療や健康管理を行わないと、目や腎臓、神経などに影響が生じるリスクが高まります。

スーダンでは、人が集まるとコーヒーやシャーイ、ジュースなどの飲み物がよく振る舞われます。砂糖をたっぷり入れて飲む人をよく見かけますが、糖尿病などのために砂糖を控えている人もいます。

私が仕事で関わった人たちの中にも、糖尿病のある人たちがいました。飲み物は砂糖抜きで頼み、そのまま飲む人もいれば、持ち歩いている人工甘味料を加える人もいました。食事の内容や時間にも気を配っていました。

村落部へ出張する日にも、食事や薬など、その人に必要な健康管理は続きます。

見つける、治療する、続ける

糖尿病や高血圧などの非感染性疾患では、自覚症状がほとんどないまま進行することがあります。血圧や血糖値などを測り、自分の状態を知ることが、必要な治療につながります。

スーダンの保健省やWHOなどが2016年に実施した18~69歳を対象とする調査では、医師や医療従事者に血圧を測ってもらったことがない人が61.0%、血糖値を測ったことがない人が85.4%でした。

診断を受けた後は、疾患やその人の状態に応じて、定期的な検査や診察、服薬のほか、食事や運動などにも気を配ることが必要になります。日々の健康管理を続けていくには、必要なときに検査や診察を受け、薬を手に入れられることも重要です。

スーダンの通信会社Sudaniは、2025年の世界糖尿病デーに合わせて啓発動画を公開しました。動画では、医師が糖尿病のある人の健康管理や合併症の予防について説明しています(アラビア語)。

治療を続けるための医療と薬

スーダンでは、非感染性疾患の治療を続けるための取り組みも行われてきました。

新型コロナウイルス感染症が広がった時期には、スーダン連邦保健省とWHOが、非感染性疾患のある人が電話で医療従事者に相談できる遠隔医療サービスを導入しました。電話による相談のほか、薬の処方や医療機関への紹介などにも対応していました。

2023年4月に内戦が始まってからは、各地で医療施設の機能が停止し、医薬品の供給も滞っています。WHOは、糖尿病や高血圧の治療薬の深刻な不足に加え、心疾患やがんの治療、透析などの医療サービスにも支障が生じていると報告しています。継続的な服薬や診察が必要な非感染性疾患では、こうした状況が治療の継続を難しくしています。

2026年9月には、内戦の影響を受けていた糖尿病治療センターの再開が報じられました。以下の動画では、治療を受ける男性へのインタビューや、スーダン小児糖尿病センターの医師の話を交えながら、治療センターの再開について伝えています(アラビア語)。

 

長い移動の途中で
アカシアの木陰で食事

長い移動の途中で

村落部へ出張するときは、何時間も車で移動します。町を離れると、道中に食事を取れる場所はほとんどありません。

そのため、人数分の食事をあらかじめ準備して車に積み、途中で車を止めて食べていました。乾いた大地の中でみんなで食事を囲むのも、その村へ向かういつもの行程の一つでした。同行者に糖尿病のある人がいれば、食事の時間も行程を考える要素になります。

診察を受ける時間は、暮らしの中のほんの一部です。何を食べるか、いつ食べるか、薬をどう持ち歩くか、仕事や移動をどうするか。病気との長い付き合いは、こうした日々の時間の中にあります。