【女性たちの力】スーダン社会を形づくる仕事と暮らし
医師や教師として働く女性。市場で商売を営む女性。街角でお茶を淹れ、提供する女性。家族とともに事業を営む女性。
スーダンでは、女性たちは家庭や地域、経済、教育、医療など、さまざまな場面で活躍しています。世界銀行のデータによると、内戦前のスーダンでは、女性の労働参加率は約30%前後で推移していました(日本は約50%台後半)。しかし「働く女性が何%いる」といった数字だけでは、こうした女性たちの姿はなかなか見えてきません。今回は、そんなスーダンの女性たちの活躍を、いくつかの場面からご紹介します。
街角で商いを営む「シッタ・シャーイ」
スーダンの街角では、小さなテーブルや椅子を並べ、その場でお茶やコーヒーを淹れて提供する女性たちの姿が見られます。スーダンでは、こうしたお茶屋は「シッタ・シャーイ」と呼ばれています。「シッタ」は女性、「シャーイ」はお茶を意味します。
シッタ・シャーイを営む女性たちは、自ら商いを営み、収入を得ています。そこで得られる収入は、家計を支える大切な生計手段の一つです。
また、シッタ・シャーイは、人々がお茶を飲みながら会話を交わす、街の日常の風景の一つでもあります。
市場から広がる女性たちの経済活動
市場や小売店でも多くの女性が活躍しています。野菜や香辛料、衣類、日用品などを販売する女性。小さな店舗を営む女性。その働き方はさまざまです。
なかには、自宅で作った食べ物や手工芸品などを販売したり、小さな商いから仕事を始めたりする女性もいます。家族と協力しながら店を切り盛りするなど、仕事と家庭を行き来しながら働く姿も見られます。
女性たちが行っている活動のすべてが、統計に表れるわけではありません。家族とともに営む仕事、個人で行う商売、地域の中で行われる生産活動など、生活を支える多くの営みがあります。
専門性や技能を生かして働く女性たち
専門的な知識や技能を生かして働く女性たちもいます。
医師、教師、公務員、研究者などとして、医療や教育、行政、研究の分野で活躍しています。医療の現場では、女性医師や医療従事者が人々の健康を支えています。また、教師として子どもたちの学びを支える女性もいます。こうした分野で発揮される女性たちの専門性は、スーダン社会を形づくる一つの力となっています。
さらに、自分自身の経験を生かし、事業や活動を立ち上げ、地域の課題に向き合う女性たちもいます。女性たちは、既にある仕事や組織の中で働くだけではなく、自ら必要な活動や場をつくりながら、社会に関わっています。
それぞれの場所で行動する女性たちが、スーダン社会のさまざまな場面を形づくっています。
地域の営みを育む女性たち
都市部だけでなく、村落部でも女性たちは社会を形づくる大切な存在です。
農業や牧畜などの生産活動に関わる女性や、家族生活を切り盛りする女性もいます。こうした日々の営みの中には、経済的な価値として数字に表れにくいものもあります。農業に従事する女性から、医療や技術分野で働く女性まで、さまざまなスーダン人女性を紹介する「スーダーニーヤ(Sudaniya/スーダンの女性)」という楽曲も話題となりました。
女性たちの姿を見ることは、数字だけでは捉えきれないスーダンという国の多様な側面を知ることにつながります。