【24時間営業じゃなくても大丈夫】スーダンの「ドゥッカーン」が教える本当の便利さ
6月に入って気温も本格的に高くなってきましたね。ちょっと前まで天気予報で「薄手の羽織るものがあると安心です」なんて聞いていたのが嘘のようで、あっという間にハンディファンと日傘がないとしんどい暑さになってしまいました。
熱くなってくると、ペットボトル飲料やらアイスやらを求めてコンビニに行くことも増えると思います。もはや日常生活に欠かせないものとなっているコンビニですが、実はスーダンにも似たようなお店があることをご存知でしたか?
今回はスーダン版コンビニの「ドゥッカーン」についてご紹介します!遠いアフリカの地にあり日本から物理的には離れているスーダンですが、この記事を読んで「案外似たところもあるんだな」と感じていただき、スーダンの文化に思いを馳せていただけると嬉しいです。
「ドゥッカーン」とは?
なかなか面白い響きをしていますが、もちろん爆発の効果音ではありません。ドゥッカーン(アラビア語:دُكَّان/dukkān/)とは、アラビア語で「店」「商店」を意味し、主に中東や北アフリカのアラビア語圏で、小規模な個人商店を指す言葉として使われています。地域によって形態は異なりますが、生活に密着した商店として広く見られます。
都市部では住宅街の中に必ずあり、村落部では中心地に見られることが多いです。
日本でいうところのコンビニに似ていて、国民食であるフール(そら豆の水煮)やターメイヤ(そら豆・ひよこ豆のペーストのコロッケ状)、ゆで卵等の軽食の他、香辛料も売っています。日本のコンビニのようにたくさんの種類から選べるような感じではありませんが、狭い敷地からは想像もできないくらいたくさんの商品が売られていて、モバイル通信のチャージもできます!
営業時間は店によりますが、21や22時くらいまで営業している店も結構あるそうで、金曜日の集団礼拝の時間(朝~午後3時前後)は閉まるお店もありますが地域に根差して近隣住民の生活を支えています。
日本にもあった「ツケ文化」
スーダンのドゥッカーンでは、常連客であれば「今日はお金がないから後で払う」という掛け売り(ツケ)が行われることがあります。
特に村では店主が住民の家族構成や生活状況を知っているため、
- 「給料が出たら払うよ」
- 「収穫が終わったら持ってくるよ」
といったやり取りが成立します。
これは単なる商売ではなく、地域コミュニティの信頼関係の上に成り立っています。日本でも昔の「御用聞き」や個人商店には似た文化がありましたが、今ではあまり見られなくなりました。
買い物だけじゃない楽しみ
ドゥッカーンは買い物の場であると同時に、店主や近所の人との立ち話が生まれることもあるなど、地域の生活に自然に溶け込んだ存在です。
朝の時間帯には、ドゥッカーンでフールやターメイヤを買い、パンに挟んでその場で食べる人の姿も見られます。仕事の合間に立ち寄って食事を済ませる人も多く、手軽に食べられる日常の食事として利用されています。
日本のコンビニで買い物をする時、多くの方は目当ての商品をレジに持って行って会計を済ませて店を出るだけだと思います。しかしスーダンをはじめとする国々でのドゥッカーンは、近隣住民の憩いの場であり、買い物ついでに世間話をしたり軽食を共にとったりできます。
もちろん文化の違いもありますが、何事も効率が求められる現代日本では日常の中にある人との小さなつながりが希薄になってしまうきらいがあるのではないかと感じます。
「便利さ」の違いを考える
日本では、
- 24時間営業
- 即日配送
- いつでも買える
などが便利さの象徴とされ、様々なサービスが進化してきました。
一方ドゥッカーンは、
- 夜には閉まる
- 品揃えは限られる
- 欲しい物がないこともある
と、日本のコンビニに比べると不便かもしれません。そのような環境の中では、
「足りなければ明日買えばいい」
「近所の人に借りればいい」
「店主に頼めば取り寄せてくれる」
と言った考え方によく接します。こうした日常のやり取りの背景には、人との距離の近さや、地域で生活を支え合う関係性があります。
本当の便利さとは、24時間営業や豊富な品揃えだけではなく、困った時に助け合える人とのつながりなのかもしれません。