クーデターから1年と1か月、文民主導の暫定政権を設立するための協定に合意 #スーダン情勢
先月、2021年10月25日の軍によるクーデターから1年、スーダンでどのような動きがあったのかをまとめたブログを掲載しました。その中で記載していた下記について、動きがありましたのでご共有です。
ブルハン氏は、将来的に文民による新たな暫定政権が成立した後に、軍主導の統治評議会を解散し、新たに軍高等評議会を設置することを約束しています。政治面は暫定政府が担い、安全保障と防衛については軍高等評議会が担うことになるとみられていますが、時期や手法については曖昧な点が多いことから、この約束にも懐疑的な見方が多く、今後もスーダンの政治危機はしばらく続きそうです。
続く政治危機…スーダンの今
民政への移行期間は2年、暫定政権設立に向けた協定に合意
今週12月5日、軍側のトップであるブルハン統治評議会議長が、交渉を行ってきた主な民主派勢力と、文民主導の暫定政権を設立するための協定に合意しました。民政への移行期間は2年と定められたと報道されていますが、暫定政権への移行時期については明言されなかったようです。
国際社会からは、民政移管に向けた一歩と評価する声がある一方、一部の力のある民主派勢力が合意に参加せず引き続き抗議デモを呼び掛けていること、時期などの重要な事項について明言されていないことから、この合意が2年で達成可能とは思えないとの声もあります。
厳しい生活から抜け出すための1歩となるか
スーダンでは部族間の衝突も激化しており、ここ2か月の間に、南部の青ナイル州では170人以上、ダルフール地方では約48人が死亡しています。紛争の影響のない地域でも、ウクライナ情勢の影響でパンや燃料の不足が日常化しており、数年にわたって3桁台のインフレに苦しむスーダン国内の状況は日々深刻さを増しています。
軍によるクーデター以降、スーダンへの国際援助の多くは停止されたままです。民主化に向けた動きが評価され、支援凍結の緩和につながるとよいのですが……。