イスラム国における日本人殺害予告に関して
いつもロシナンテスを応援してくださいまして、誠にありがとうございます。
昨日は、悲しいニュースに接しました。
イスラム国において、拘束されている日本人の人質の殺害予告がなされました。
私は、昨日は首都のハルツームから国連WFPとの共同事業が行われる予定の北コルドファン州に向かいました。
10時間の車での移動で、北コルドファンの州都のアルオベイドに到着してから、このニュースを知りました。
まずは、私と一緒にアルオベイドに来たロシナンテスのターハ医師に、このことを話しました。
すると、
「私は、イスラム国を認めていない」
「彼らは、イスラムをゆがめようとしている」
「彼らが、罪のない日本人を傷つけることなんて、イスラムにおいて許されることではない」
といって、激しくイスラム国を批判しました。
そして、今回の事業のパートナーであるSIDO(サイドウ)の職員は、
「イスラム国とスーダンとは何の関係もない」
「スーダンにもダルフールの紛争や、最近では南コルドファンの紛争があるが、ここにイスラム国が入り込む余地はない、我々で解決していく」
と、これもイスラム国を認めないと主張しています。
多くのスーダンの人たちが、私が日本人だということもあり、同情の声を寄せてくれました。
この問題は単純なものでなく、これは深く、パレスチナ問題とも関係しています。
この根本問題をなんとかしないことには、イスラムと非イスラムとで、争いが激化するだけです。
今日は、朝から北コルドファン州の保健省において、州政府HAC(NGOを管理監督する機関)、国連WFP、SIDOそれにロシナンテスで会議を持ちました。
会議の最後に私から話をしました。
「昨日、悲しいニュースに接しました。イスラム国において拘束されている日本人二名が、日本からの身代金が支払われないと、72時間以内に殺害するというニュースです。もちろん、日本政府は全力で問題解決にあたると思います。スーダンはイスラムであり、イスラム国と同じスンニです。そのスーダンにいる我々日本人にできるのは、あなたたちスーダンの方々と一緒になって、今苦しんでいるスーダンの人たちの医療を改善することです。私は、スーダンの文化、イスラムの文化を尊重しています。イスラムの文化を尊重しながら、あなた方と一緒になって、栄養失調の子供たちの栄養改善事業を行っていきます。この事業は、直接的には現在栄養状態が悪い子供達とそのお母さんたちのためです。しかし、それのみではなく、この事業を通じて我々日本人がイスラムを理解することにもつながると思います。この時期だからこそ、お互いに協力して、この事業を成功させましょう」
参加者の方々から、「スーダンとイスラム国の関係はないから」と何度も言われました。
もちろん、そうでしょうが、どこから関係性ができてくるのかもわかりません。
我々は、一生懸命に事業を推進させると同時に、安全には、十分配慮し、そして有事に備えることを検討しなくてはいけません。
お二人の無事の解放をスーダンで願っております。