巡回診療を続けるために
いつも、ロシナンテスを応援してくださり、ありがとうございます。
スーダンは、夕方を迎えており、巡回診療を終えて首都のハルツームに戻ってきました。
心地よい疲労感を感じつつ、これを書いております。
ロシナンテスの巡回診療に携わるスタッフは、2週間という長丁場で村々を巡回していきます。
村々に寝泊まりしながらの巡回です。
我々日本人スタッフは、巡回診療の全体を把握し、どうすれば、この巡回診療の質を上げていくことが出来るのかを考えています。
今回は、スーダン政府の許可がようやく取得できたこともあり、私自身は久しぶりに巡回診療に参加できました。
首都のハルツームから車で約2時間、途中からのオフロードを飛ばして、現場に向かいます。
まずは、拠点となる臨時の診療所を立ち上げます。
メディカル・アシスタンス(準医師のようなもの)と検査技師がここで診療を行います。
そして、車を使って、一軒一軒回って、妊婦さんや赤ちゃんの健診、ワクチン接種を行います。
助産師さんが、お母さんへの健康教育を行います。
栄養士さんが、お母さんへの子供の状態を説明します。
ワクチンを打つ人が、お母さんへ今後のワクチン接種の計画を説明します。
回りながらも、我々日本人医師がいると、診て欲しい患者さんがいます、と言われ、診療することも度々です。
言葉にすると簡単ですが、11月でもスーダンは日中はとても暑く、これは本当に大変な仕事です。
夏の暑い時期は、もっと過酷になるでしょう。
我々は許可の都合上、2日しか滞在できませんが、スーダン人のスタッフは2週間行うのです。
頭では理解していたつもりですが、現場に行くと、大変なのが肌身を通じて感じました。
うちのスタッフは、本当によくやっています。
「ありがとうございます!」
写真は、乳児の身長を計測しているところですが、身長計を地べた置いて計測しています。
スタッフからも、テーブルが欲しいと要望を受けましたが、テーブルを車で持ち運ぶのは困難を要します。
他にも、ワクチンを入れるクーラーボックスや、臨時診療所を設置する備品も多数あり、今のところテーブルを運ぶ余地はありません。
しかし、工夫していくことはできます。
スタッフとも、いろいろと話をして、巡回診療者の改善すべき点をあげて、実行していきたいと思います。
診察するたびに、うちで食事をしていってください!と言われます。
とても嬉しいのですが、それを受け入れていると、巡回診療がまわりません。
ありがたく、お水のみを頂きます。
宿泊は、村長さんの家の敷地内です。
スタッフとベッドを並べて横になりました。
夜は、日中の暑さがうそのように、気温が下がります。
外に寝ますので、私はダウンジャケットを着ます。
ベッドに横たわって、空を見渡すと、そこには、本当に素晴らしい星空が広がっていました。
この星空を見ると、原点に戻る感じがします。
ここにいる人たちは、貧しくても家族が寄り添って、懸命に生きています。
この生きる姿を見て、私はいつも、心洗われることとなります。
そこに行き届く医療を、どうすれば持続的に行っていけるか、そして、範囲を広げられるか、私は懸命にスタッフと共に考えて参ります。
そして、日本の皆様、ロシナンテスの支援を今後とも、どうぞよろしくお願いいたします!