モハメド・ラビア家族
ただいま、スーダンです。
ドーハからのフライトは、食事もとらずに眠りこけていました。
ハルツームに到着後、事務所で簡単に仕事をこなし、JICAでの会議に出席、
そして、その後は、ロッシー事務所にお客様が来ての対応です。
たくさんの方々に来ていただけるのは、本当にありがたいことです。
スーダンでも、東北でも、そして北九州の本部もしかりです。
その日の終わりに、スーダン人スタッフのラビアがニコニコとして私のところにやってきました。
借金を返済するためのものです。
ラビアは、ロシナンテスの最初のスーダン人スタッフです。
そして、彼女がモハメドを我々に紹介してくれ、モハメドを採用しました。
モハメドは、大変優秀であり、さらに日本人の心を理解してくれ、個人的にも仕事がとてもやりやすかったです。
このラビアとモハメドは、恋仲であり、早く結婚しろ、と私はいつも言っていました。
しかし、モハメドは「カネがない」となかなか結婚には至りません。
スーダンでは、本当に結婚にはお金がかかります。
そこで、4年前くらいの頃でしょうか、私はお金を彼らに貸してあげることにしました。
その額は、かなりなものでしたが、彼らが幸せになるのなら、と思い、貸したのです。
その後、心あったまるような結婚式がありました。
そして、男の子も生まれました。
モハメドは、さらに勉強したいと、ロシナンテスを辞職し、大学院に進学しました。
ラビアが稼ぎ頭となって、旦那と子供の面倒を見ています。
そして、借金の完済となったのです。
今までに、お金を貸したことは多々ありますが、これだけの年月をかけて返してきたのは初めてです。
返してもらったことも、返してもらえなかったこともあります。
最初から返らないと思っていますので、返済された時には、ありがたみが増します。
そして、借金完済式に呼ばれ、彼らの家で食事を頂き、泊まってきました。
ロシナンテスと関わる人たちに笑顔が広がるのは、私としてもとっても嬉しいことです。
川原尚行