特定非営利活動法人ロシナンテス

活動報告ブログ

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スーダン2012.03.07

スーダンへのビザ

スーダンへ入国する際のビザの入手はとても大変です。
とくに、NGO関連のビザを取得するとなると極めて難しくなります。
ロシナンテスは、学生の研修をおこなっていますが、
この国では、基本的にNGOでの研修というものを認めていません。
NGOの名にまみれて、誰が入ってくるかわからないと警戒しているからです。
日本では、なかなかそのような思考にはならないと思いますが、この国にいると
スーダン政府の考えることも理解します。
もちろん、もろ手を挙げて賛成というわけではありませんが。
では、どのような形で学生のビザをとっているのでしょうか?
それは、ロシナンテスとハルツーム大学とが学術提携を締結し、
ハルツーム大学からの招聘というかたちにしているからです。
そして、地方に行く際には、旅行許可証が必要となります。
それは、大学が旅行許可証を申請し、それをスーダン政府が認める、という流れにしています。
現在スーダンで頑張っている佐藤君は、大学に申請をお願いしていました。
ところが、スーダンらしい対応で、ちょっとしたトラブルが発生しました。
申請書を外務省に提出したようですが、その申請書を外務省が紛失していたのです。
それも、紛失したとの連絡はあるわけでなく、もう出るだろうと外務省に問い合わせて、紛失したことが発覚したのです。
これは、よくあることで、以前は大使館の参事官のパスポートをスーダンの外務省が紛失したことがありました。
どのような状態で紛失したのか確認したところ、机の上はもとより、その下の床の部分にまで、パスポートが置かれてあったようです。
これでは、紛失するのもわかります。
「カイゼン」が必要ですね。
もちろん、外務省は詫びるわけでもありません。
「もう一度大学から提出してくれ」
とのこと。
大学に掛け合うと、学会の始まっており、それどころではありません。
仕方なく、以前にお願いしていた教授に特別に申請書を書いてもらい、それを直接外務省の知り合いのところに持って行きました。
すると、その場でビザ発給の番号が出されたのです。
その番号を在京のスーダン大使館に申請するとビザが発給されます。
佐藤君の場合は、ぎりぎり間に合いました。
いろいろとありましたが、今回の緊急時のビザ発給は今までの最短記録です。
一日でスーダン側から番号が出され、スーダン大使館で一日です。
これが、いつも使えるかどうか、わかりませんが、緊急時の対応としておきます。
さて、もうひとつ難しい問題がありました。
栄養管理をお願いした専門家の方をフランスからお招きしました。
私は、在京のスーダン大使館とは親しくしていますので、日本からスーダンに来る時には如何様にでもなります。
しかし、今度はフランスからです。
最初は在フランスのスーダン大使館と掛け合っていましたが、どうにもいかず、これまた大学からの招聘というかたちにしました。
その専門家の方もパリにいらっしゃらないので、相当に苦労しましたが、何とかビザが獲得できました。
以前は、インドにいるサッカーの三田君がスーダンに招聘するときには、うまく事が運ばずに、断念した経緯がありましたが
今回は、はじめて日本以外の国からのビザ取得が出来ました。
スーダンでこのような活動をして7年ですが、いまだにビザ取得には悪戦苦闘しています。
しかし、この悪戦苦闘が、思いもよらぬ良い人間関係をも築くことになります。
今回は、改めて大学との連携を深めましたし、スーダンの外務省ともより深い関係となりました。
この関係を強めることが、今後にさらに生きてくるものと思います。
誰でも近道を選んでいきますが、悪戦苦闘する遠回りのほうが、その後の発展性を生じることになると思います。
川原尚行