特定非営利活動法人ロシナンテス

活動報告ブログ

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その他2012.02.27

畏れ

私は、日本に帰国すると、インタビューを受ける機会があります。
いくつか、同じ質問を受けることもありますが、別に悪気があってのことではなく
その場の気分で答えています。
ですから、私のインタビュー記事の数年前から現在までを見比べると、随分と違うことを言っていると
感じることがあると思います。
「なぜ医者になったのか?」
これが、一番多く受ける質問です。
別に小さいときから医者にあこがれてなったわけでもなく、
気が付いてみたら、なっていたものですので、あまり答えようもありません。
インタビューをするほうからすると、もっと面白いエピソードを期待してのものかもしれません。
私は、「人の役に立ちたくて」
と答えているのですが、どれかのインタビューの中で、
別の角度から質問されて、それも遠まわしにです。
幼少時のことを問われて、そのことを想いだしました。
我が家には、和尚さんがよくきていて、和尚さんに
「人の役に立てよ」
と、言われていました。
それが、意志になったきっかけかもしれません、と答えました。
その時に、いろんな思い出がよぎります。
幼少時には、今の実家よりも山よりで、小さな家だったのですが、家の中には、
ひな祭りの雛壇のようにして、仏像がおいてありました。
一番上段には、炎にくるまれるような光背で杖を持って、こちらをぐっと睨む仏様がいました。
幼少時には、いつも怖い、というイメージを持っていました。
私は、「こわい」と何かに平伏す感覚はとても大事だと思っています。
幼少時にあった仏像が、私のおそれる対象でした。
この仏像は、私の家に良く来ていた和尚さんのいた山路のお寺にあります。
先日、スーダンの岩山に登って、岩と一体となったつもりで瞑想していたら、
この仏様が私の心に浮かんできました。
スーダンと日本、遠く離れていても、私の心の中には、
「畏れ」
が残っているようです。
スーダンの自然の岩山にも「畏れ」を感じたのでしょう。
川原 尚行