特定非営利活動法人ロシナンテス

活動報告ブログ

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スーダン2007.07.31

日本大使視察

さて、昨日夕方にドタバタと運び入れられたトラック2台分の医療機材が、なぜ急遽こちらに来たのでしょう?
それは、本日、日本大使と州知事が診療所を視察するからだったのです。今まで半年に渡って保健省に要求してきましたが、ようやく日本大使視察がきっかけとなって、実現しました。
昨夜は運び入れるだけで、今日の朝早くから、セッティングを行いました。だいたいのところで、私は州知事主催の大使歓迎の食事に誘われていましたので、村を後にしました。
州知事公邸で食事をしたあと、村まで移動です。計7台の車列です。前後を軍人の乗った警護車がサイレンを光らせながら走ります。昔の大使館時代を思い出しました。私が一番長い車列を経験したのは高円宮殿下、妃殿下のタンザニア訪問のときでした。20台を超えていました。
さて、ハサンをはじめ村人が村にある車を全てだし(トラック1台も含む)、村からの分岐点まで出迎えていました。そこで、車を降り、ひとしきり挨拶をした後に、村へと向かいました。
診療所の前には、大勢の村人が綺麗に列を作って歓迎してくれました。先週、小学校で作らせた日の丸とスーダン国旗を手に持った子どもたちも大勢います。
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診療所の前には大きな日の丸とスーダン国旗、酋長のハサンが、強力な指導力で作り上げた歓迎式場が見事に出来上がっていました。
昨日届けられたばかりのベッド、たな、医療器具がきれいにならべてあります。
私が食事に言っている間の3時間くらいの間に診療所の様子が違っています。
診療所の一室は、いつのまにやら母子保健センターになっており、助産婦と栄養士が毎日こうして働いているかのように机の前に並んでいます。そして、これまた私の知らない間に10枚を超えるポスターが貼られています。
また、大使に見せるように、コレラとエイズのために教育ビデオまでがセッティングされ、それを保健省の役人から見せられました。これも常時やっているかのようにです。
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よく機能しているように見せかけるための保健省の涙ぐましい努力ですが、私にとっては興ざめです。
大使には事情をよく説明しましたが。
さて、視察後のスピーチです。感謝の言葉、歓迎の言葉が並びます。日本大使は流暢なアラビア語を使われ、出席した全員から素晴らしい拍手をもらいました。
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スピーチの後、ハサンの家で屠った羊での食事です。主だった村人にも振舞われます。
さて、一行が嵐のように去った後、計ったように雨が降ってきました。降りしきる雨の中、村人がハサンの指導の下、後片付けです。いすから机から全部隣町からの借り物です。
そして、静けさを取り戻した診療所では、患者が多く来ました。またもくもくと診療を続けます。一日限りの教育ビデオ(大使、知事に見せただけで肝心の村人には見せていません)や母子保健センターも去りました。今後、一日限りでない母子保健センターや教育プログラムを保健省に要求はしてきますが、いつになることやら。もちろん、ロシナンテスでも行っていきたいのですが、保健省を巻き込むことを目標にします。
今回の歓迎式典で、最も印象に残ったのは、酋長のハサンでした。彼の統率力には本当に恐れ入りました。
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本当は、もっとうまく表現できれば良いのでしょうが、どうしても言葉足らずになってしまいます。診療所の大使、州知事視察に感動はしたのですが、それよりもっと冷静な自分がいるのに気がつきます。
明日からまた診療です。
川原尚行