特定非営利活動法人ロシナンテス

活動報告ブログ

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スーダン2007.07.27

すごい、じいさん2

さて、車の中、老人は保健省の局長の名前を出し、電話番号を知っているかと私に聞いてきました。
幸い知っていたので、そこへかけると、その老人と局長の間でなにやら話した後、
「保健省へ行け!」
と運転しているハサンに命令を出します。
保健省に到着すると、電話をした局長室へ。
その中には、保健大臣ならびに重要メンバーたちが勢ぞろいしていました。
大臣以下、丁重に老人に挨拶をします。
どうやら、州知事は執務室に戻ってないようで、ここで保健大臣から事の成り行きを詳しく聞く様子です。話を聞いた後、州知事が執務室に戻ったの連絡を受け、保健大臣以下重要メンバーたちを引き連れ、州知事のところへと向かいます。
その車の中
「あの保健大臣は無能だな、それくらいのことで何も出来ないなんて!」
と保健大臣をこき下ろします。
州知事は多分大事な用事があったのでしょうが、都合をつけて老人のために時間を作ったのでしょう。
老人からの話を聞き、「州知事として、事情が良く理解できました」
「州知事が責任を持って、ドクター川原の要求することに対処いたします」
そして、保健大臣に向かって、力づくでも、そのことに対処するようにと指示を出しました。
老人は、私に向かって「これでよいですね」
と微笑んできました。
老人は、この地域の伝統的な酋長で、今でも絶大な力を持っているようです。新しい行政官と伝統的な酋長とのやり取りは、とても興味深いものがありました。
さて、また酋長の家へと向かいます。70キロの道のりです。
家に着くと、老人はへたりこむようにベッドに倒れこみました。州知事との交渉、長距離の移動が応えたのでしょう。さて、薬はないかと探していると、あるはあるは、酸素があり、吸入器もあります。10分ほどで収まりました。
そして、「飯を食っていきなさい!」
ご馳走をいただいた後、別れの挨拶をすると
「何かあったらまた来なさい」と威厳を持って言われた。
私は、この老人の気合、そして優しさに惚れ込んでしまいました。
ことの詳細は、まだまだ面白いのですが、事情が進行形であるために伏せています。
決着がつき次第、ブログに掲載します。
しかし、この老人の進言が果たされるのはいつのことなのでしょうか。
川原尚行