ハルツーム大学主催の国際学会
本日をオープニングセレモニーとして、明日明後日とハルツーム大学が主催する国際学会が開催されます。
昨年が第一回目で今年が第二回目となります。
スーダンは、南スーダンの独立が決定し、スーダンの国自体も新たな体制を考えないといけません。石油が南スーダンに集中していることを考えれば、それ以外での国を支えるものを作り上げなる必要があります。
それを学術に求めての、国際学会です。
その趣旨を大学側から伝えられたのは、今年に入ってからだと思います。
そのうえで、九州大学からも、この学会に参加してくれとの要請を受けました。
ただでさえ、忙しい大学ですから、絶対に無理だと思いましたが、スーダンのこの試みやよし!と思い、伝えるだけでも伝えようと大学側に連絡を入れました。
すると前原教授がすんなりと、人を派遣しましょう、との英断を下さました。
そして、九大から二名の先生が来られました。
本当に忙しい中、ありがとうございました。
また大学側から、学会期間中にロシナンテスの活動を紹介する展示を行ってもよいとのことで、内藤さんの写真を中心に活動紹介の展示を準備しました。
展示の案内人がいますので、ハサバッラ村からハサンに来てもらいました。
さて、オープニングセレモニーです。
全くどんな感じなのかつかめずにいると、初めて入る立派な部屋に通されます。
ここは、友好会館というところで、中国の援助で建設されたものです。
ハルツーム大学の面々がいて、九大からの先生方は、同様にして招かれた欧米の先生らとともに最前列に座っています。
私は、招待状もありませんが、いつものごとく厚かましく、ここに入り込み、
会場係から
「外交官の方ですか?」
と問われると
「はい、そうです」
と答え、心の中で「以前ね」と付け加えます。
これで、私も最前列に座れます。
7時開始予定が、スーダン時間で8時からのスタートです。
警備の人に囲まれて、大統領が登場、国歌が楽団により高らかに演奏され
式が始まります。
スピーチがはじまり、最後に大統領のスピーチです。
私の隣の人がやたらと大きな拍手をしているので、聞いてみると
「私は彼と一緒に革命をしたんだよ。
ただし、俺は引退したけどね」とのこと。
「革命」をした、と言葉にできる人は、そんなにいません。
その言葉だけに、隣に座る人の威厳を感じました。
さて、そのような式典で最前列に座る私のすぐ後ろにハサンが座っています。
「大統領が来たら挨拶にいこう」
と言っていましたが、そんなことはできません。
式典の最後に再び、国歌が演奏され、大統領は警護たちとともに退場しました。
大統領とハサンと九大からの先生、それに私の隣に座る革命を起こした大統領の友人と
私を取り巻く人々を考えるだけで、可笑しさがこみ上げてきます。
「みんな、同じ人間なんだ!」
と考えると、「ククク」となります。
式典が終わり、ロシナンテスの展示に行くと、人だかりができています。
ロシナンテスの活動に見入っているわけではなく、折り紙教室を同時開催したのですが、そちらにスーダン人女性が群がっているのです。
サッカーコーチの西條の奥様がいらしているので、奥様が一生懸命に折り鶴のおり方を説明しています。
この学会、明日明後日と続きます。
夜の10時過ぎまで学会があり、日本から来られた先生方と食事をし
ホテルに送り届けて、深夜に眠りにつきました。
そして、早朝4時ごろに電話が鳴ります。
「父さん!俺、合格したよ!」
なんと息子からの電話でした。
本当によく頑張りました。
高校時代のほとんどをラグビーに明け暮れ、結局花園に行けませんでしたが、そのあと猛烈に勉強して現役で合格を決めました。
「ラグビーを続けたいからこそ、一生懸命に勉強した」
そして、最後に大学では勉強も両立して頑張る!とのことです。
息子の頑張りが私の励みにもなります。
「よーし、頑張るぞ!」
川原尚行