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ザンビア2025.04.10

妊婦調査の報告会を開催―診療所のスタッフへ分析結果を共有

支援者リレーションズチームのザンビア渡航記⑥

こんにちは、支援者リレーションズチームです。私たちは今、ロシナンテスの事業地ザンビアへ出張に来ています。

事業地のひとつ、ムワプラ診療所での「妊婦調査報告会」に同行してきました。調査内容の詳細はまた別のブログでご報告予定ですが、当日の様子を簡単にお伝えしたいと思います。

事務所からムワプラ診療所へ

ロシナンテスがマザーシェルターを建設したムワプラ診療所は、首都ルサカの事務所から車で約2時間の距離にあります。半分は舗装道路、半分はオフロードをガタゴト……。

途中で見つけたタイヤのホイール屋さん……?

オフロードに入ってからはぬかるんだ個所もあり、ドライバーさんの運転スキルに脱帽。

雨季もほぼ終わっているのでこの程度ですが、雨の多い時期は通れなくなることもあるのだとか。

妊婦調査の分析結果報告会

今回の報告会は、診療所スタッフの皆さんに妊婦調査の分析結果を伝えるために開催されました。

妊婦は、15週までの妊娠初期に妊婦健診の受診を開始することが推奨されています。ロシナンテスでは、マザーシェルター建設後からこの初期健診の割合を増やすことを目指してきました。しかしムワプラ診療所では、やってくる妊婦さんの半数以上が妊娠初期に健診を受けることができていません。

診療所スタッフからのヒアリングでは、妊婦健診受診のタイミングが遅れる要因として下記のようなものがある、との仮説が立てられました(※一部抜粋)。

  • ヘルスボランティアSMAGから保健指導を受けた人は、妊娠初期に健診を受診する割合が高い
  • 「早い段階で妊娠を知られると赤子によくない」という迷信を信じる女性たちは妊婦健診を受けるタイミングが遅くなる
  • 学生は妊婦健診を受けるタイミングが遅くなる
  • 診療所までの距離が遠い妊婦は妊婦健診を受けるタイミングが遅くなる

今回の調査は、昨年9月からロシナンテスのザンビア事務所でご協力いただいている助産師の長井さん主導のもと、これらの実態を把握し、今後の対策を相談するために実施しました。

実際に診療所へやってくる妊婦さんたちに聞き取り調査を行ったところ、妊娠しているかどうかの判断がついていない人が一定数いることや、以前は必須だった夫の同伴が不要になったことを理解していない人がいることなど、興味深い結果が出てきました。これらの調査結果を踏まえて、今後どのような対策ができそうか、話し合っていく予定ですが、今回はまずこの調査結果を伝え、どのように感じたかなどを診療所スタッフと話し合う場となりました。

現地スタッフの活躍

報告はロシナンテス現地スタッフのニュマが担当。木の棒を相棒に、分析結果について発表しました。

分析結果を踏まえた話し合いのファシリテーションは、同じく現地スタッフのグリフィンが担当。診療所スタッフの皆さんから「その結果は意外だ」と感想や「その結果についてはこういう理由があると思う」といった意見をお伺いしました。

現地スタッフが現場の人を巻き込み、現状の把握・分析を行うことで、どうすればより良くなるのかを真剣に話している姿を見ることが出来てよかったです。支援者の皆さんからいただいたご寄付が、ちゃんと現地でいかされていることを切に感じることができました。このような気持ちで現場のスタッフが活動をしていることを、支援者の皆さんの一番近くにいる私たちが少しでも多く伝えていきたいと思います。

今回は報告と少しの話し合いで時間が終わってしまいましたが、引き続き議論を続け、妊娠初期の健診受診率を上げるために何ができるか相談していく予定です。