特定非営利活動法人ロシナンテス

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スーダンの現状をわかりやすく解説!内戦開始後初の渡航報告会 難民キャンプについても

こんにちは!インターンの大岩です。2024年12月25日に、スーダン渡航報告会を開催しました。理事長の川原より現地で見聞きした様子をお話しましたので、内容を簡単にレポートしたいと思います。

詳しい内容はぜひ動画をご視聴ください。YouTubeの概要欄に目次がありますので、知りたい内容からチェックすることもできます。

  1. ポートスーダン再訪の背景

2023年4月にスーダンで内戦が勃発したことを受け、ロシナンテスの駐在職員は港町のポートスーダンより自衛隊機で国外に逃れました。

それ以降、遠隔での緊急支援などを行ってきましたが、安全の確保やビザの取得の関係からなかなか日本人の再入国は実現していませんでした。内戦が始まってから1年8か月後の2024年12月24日、再びこの地を訪れることができました。

スーダンでは写真撮影を制限される場所が多いのですが、こちらの写真はなんとか許可を得て撮影することができた一枚。

久しぶりに訪れた空港は、退避のために立ち寄った際と比べて多くの人々で賑わっており、ビジネス目的で訪れる外国人の姿も。一方、空港のセキュリティは非常に厳しいようで、武装した軍人の姿をあちこちで見かけました。


2. 一見平和な街

こちらは夜の街の様子です。ポートスーダンの街は一見穏やかで、人々がお茶屋さんでゆったりと過ごしている様子がわかります。しかし少し周りに目を向けると、難民の流入や物価の高騰、海外へ逃れるためのビザの発行を待つ人々など、内戦はあらゆるところに影を落としています。

街中では、日本の国旗を配した医療用コールドチェーン(ワクチン輸送機)やゴミ収集車などが現地で活躍しており、日本の支援が届いている様子も垣間見ることができました。


3. 内戦による経済の混乱

スーダンでは、民兵組織RSFによる中央銀行襲撃で大量のお札が奪われたことにより、新札への切り替えが急遽行われたようです。旧札も数年前に発行されたばかりでまだまだきれいな状態だったのですが……

内戦によるインフレは深刻で、少しの買い物でも大量のお札が必要なのが現状です。そんな中新紙幣への切り替えはなんと2週間という短い期間で行われた、ということで、銀行に人が殺到し多くの混乱を招いている様子も紹介されていました。日本ではなかなか考えられないことで、大変さが伝わってきました。

4.難民キャンプの視察

許可を得て難民キャンプを訪問した際の様子も紹介されていました。難民キャンプへ行くためには、軍やスーダン政府の許可が必要で、様々な書類の提出を求められます。近づいての撮影は禁止されており、遠くからであれば、と撮影を許可された写真がこちらです。

こちらの難民キャンプは、専門学校だったところを宿泊地に転用した場所です。4,000人以上が暮らしており、一つのテントに複数の家族が共に生活している状況が報告されています。給水車による水の供給や、医学部学生によるボランティア診療が行われて、何とか生活が成り立っているようです。1日に使う水の量も、食べられる食料も限られ厳しい状況が伝わってきます。

※こちらの難民キャンプの様子をご報告した動画はこちら。

【スーダン】1日1回の食事、医学生が医療サポート。ポートスーダンの難民キャンプから


5. シェリフ・ハサバッラ村の村長ハサンさんにインタビュー

最後に、ロシナンテスの最初の事業地である現在のシェリフ・ハサバッラ村についての現状を村長ハサンさんにインタビューしました。

動画の対談の主な内容を下記にまとめました。

  • 難民が多く流入してきており、何よりも水が足りていない
  • ロシナンテスが作った井戸は残っていて稼働しているが、人が多いため200メートルぐらいの列ができている
  • 診療所については、難民として訪れた医師が一人で頑張っているが、一日の患者さんの数は300人になることも
  • 学校は難民キャンプのようになっており、勉強する場所ではなくなっている
  • 水の支援や医療支援が必要、医療品や医療機器、救急車が不足している

現在のスーダンの内戦下の生活の様子を知ることができました。

まとめ

スーダン内戦の早期終結と復興に向けた支援は、政府や国際社会との連携が不可欠です。微力ではありますが、ロシナンテスとしても、現地の状況を把握し必要な支援を具体化することで、少しでも多くの命を救う努力を続けていきます。

スーダン内戦がもたらした悲劇は甚大ですが、現地の人々と協力し、希望を持って支援活動を続けることが明るい未来への一歩だと信じて活動を続けます。