グローバルヘルス合同大会に参加しました
こんにちは、ザンビア事業部の佐藤です!11月16日(土)〜17日(日)に沖縄県で開催された「2024年グローバルヘルス合同大会」に参加してきました。グローバルヘルス合同大会とは、1999年に日本熱帯医学会大会と日本国際保健医療学会が「21世紀の熱帯医学と国際保健医療協力」のテーマのもとで開催した学会をきっかけに、全国各地で開催されているものです。
会場では、ザンビアで進めているポータブルX線を活用した結核事業について共有し、保健医療に関する様々な課題に取り組む方々と意見交換をすることができました。現地の様子を簡単にレポートしたいと思います。
日本への逆輸入も視野に
ロシナンテスの理事でもある高山医師が主催し、2022年にザンビアに来てくださった喜多先生が座長を務めたシンポジウム「国際保健医療協力と新技術の展開」に、ロシナンテス理事長の川原が登壇しました。新しい技術をどのように国際保健に活かしていくかについて、5名の登壇者から事例紹介があり、意見交換が行われました。
理事長の川原からは、ある程度システムが出来上がっている日本では導入が難しい”ICTを活用した医療体制”をザンビアで構築し、それを日本に逆輸入できる可能性に言及し、日本とアフリカの双方にとって良くなる取り組みを行っていきたい旨をお話しました。シンポジウムの終了後には、医師だけでなく、医学生の方々も川原のもとに質問に来てくださり、これからアフリカをはじめとした諸外国で保健医療の活動をしてみたいと考える方々に興味を持っていただける内容だったと感じました。
結核事業による医療アクセスの変化を発表
また会場内では、2023年度の結核事業についてのポスタープレゼンの機会をいただきました!ポスタープレゼンとは、写真のように事業の成果や検証データについてポスターにまとめたものをもとに、関心を持ってくださった来場者に向けて説明するというものです。
今回は「ザンビア中央州におけるポータブルX線装置導入による結核早期発見と医療アクセスの改善」と題し、2023年5月から2024年1月の8ヶ月間にX線検査を実施した患者2,381名を対象としたデータの分析と考察をまとめて掲示しました。
参加者の皆さまからは、現地の医療従事者がどれくらいX線装置のAI結核診断を使っているかなどのご質問をいただきました。また日本の結核診断の体制とロシナンテスがザンビアで実施している結核診断の体制でどれくらいの差があるか比較してみることをご提案くださった方もいました。
●ポスターのデータはこちら: ROC結核事業ポスター
ポスターの作成に当たっては、日頃より結核事業に助言をいただいている水本憲治先生(総合生存学館 総合生存学専攻 准教授)や高山理事にたくさんのアドバイスをいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。 来場者は基本的に医療関係者のため、医療従事者でない私がプレゼンをするのは大変緊張しましたが、高山理事にもフォローいただきながら、多くの方に取り組みを知っていただくことができました。
他国で同じような課題に取り組む組織と意見交換も
他の組織が実施している保健医療事業についても多様な角度から学ぶことができ、大変有意義な2日間となりました。こちらも少しだけご紹介したいと思います。
特定非営利活動法人ISAPH (アイサップ)さんは、ラオスで母子保健の事業について発表していました。発表は「自宅分娩から施設分娩へ行動を促すためにどのようなことが効果的だったか」という内容でした。一部の例として、妊婦は年長者の意思決定に従う傾向を利用し、バースプラン立案時に年長家族から施設分娩に協力する約束を引き出したことで、より多くの方が施設分娩を選択するようになったという事例発表がありました。 ロシナンテスもザンビアで、安心、安全な出産環境を整える母子保健事業も行っており、自分たちの事業地においても同じようなことを実施した際にどうなるかを考える良い機会となりました。
また、シンポジストのお一人であった沖縄美ら海島財団水族館管理部の佐藤圭一統括が発表していた、オンライン教育プログラムも印象的でした。こちらのプログラムは、2023年1月と2月にロシナンテスと協力し、海外に向けての展開としてザンビアの高校で実施しました。現在はカンボジアやミャンマーの国々でも実施されており、病院で闘病中の子どもたちや特別支援学校で学ぶ子どもたちに、海の生き物を通して楽しい時間や学びの機会を提供する機会が広がっているとのことでした。
久しぶりの帰国が沖縄弾丸出張となりなかなかにハードでしたが、たくさんの方とお話し、沖縄のおいしいご飯も堪能できた充実の4日間でした。写真は、沖縄に到着してすぐに民宿のおばちゃんからもらった甘くておいしいバナナ。あたたかい沖縄の皆さんにも癒されました!