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スーダン2024.09.09

9月9日は何の日? #KeepEyesOnSudan

こんにちは、認定NPO法人ロシナンテスのインターン山下です。

9月9日は何の日かご存じでしょうか?9と9、つまりキュウキュウで「救急の日」でもあるようなのですが……今回取り上げたいのは「教育を攻撃から守る国際デー」です。

守りたい子どもたちの学びの場(撮影:内藤順司)

世界で増加する「学校への攻撃」

「教育を攻撃から守る国際デー(International Day to Protect Education from Attack)」は、カタールからの提言により、2020年5月28日国連総会で採択された比較的新しい国際デーです。

教育を攻撃から守るグローバル連合(GCPEA:Global Coalition to Protect Educationfrom Attack)によると、学校や生徒・教員への攻撃、学校・大学の軍事利用などを含む「教育への攻撃」は、2020-2021年の2年間で5,000件を超えました。これにより、9,000人を超える生徒・学生・教育関係者が拉致や一方的な逮捕、負傷・殺害の被害にあっています。

教育に対する攻撃と教育施設の軍事利用には、主に下記のような形態がありますが、特に多いのが(1)の「学校への攻撃」です。学校が破壊されてしまうのみならず、攻撃・誘拐・暴力に対する恐怖やトラウマから子どもたちが学校に通えなくなることも珍しくありません。

  1. 学校への攻撃
  2. 学校の生徒、教員、その他の教育関係者に対する攻撃
  3. 学校・大学の軍事利用
  4. 学校・通学路での子どもの徴兵・徴用
  5. 学校・大学・通学路での性暴力
  6. 高等教育(大学・研究等)への攻撃

内戦で犠牲になるスーダンの子どもたちの未来

2023年4月15日軍事衝突が発生したスーダンでは、現在も各地で戦闘が続いています。人口5,000万人のうち1,000万人以上が避難民として国内外に逃れていることはこれまでもお伝えしてきましたが、この中には多くの子どもたちが含まれています。

ユニセフによると、1,400万人の子どもが緊急に人道支援を必要としている状態です。紛争により家を追われた子どもは460万人、そのうち近隣諸国に逃れている子どもは110万人で、世界最大の子どもの避難民危機と言われています。2023年に紛争当事者によって殺傷された子どもは1,244人にのぼることが報告されており、殺傷、徴兵・徴用、性的暴行などの子どもの権利の重大な侵害の件数は戦闘前からほぼ500%増加しました。

約1年前の動画ですが、現在も避難生活を続ける現地スタッフの生の声です

また避難していないケースでも、通っていた学校が避難場所として使用され授業ができない、教師が避難しており学校に来られないなど問題は山積みで、1,900万人近くの子どもが学校に通えていません。

微力は無力じゃない!私たちにできること

このように世界中の紛争地域では、性的暴力や連れ去りなどのリスクにおびえながらの通学や、軍事利用され攻撃の対象となる学校が増え、守るべき学びの場が危機にさらされています。

「子どもを安全な場所に連れて行く」

「子どもの学ぶ環境を整える」

紛争地域ではこんな日常を叶えることが本当に難しいのです。叶えてあげたいという親心を考えるだけで、私は胸が締め付けられます。どうしたらいいのかと途方に暮れてしまいます。

教育が受けられる環境を整え、紛争下の子どもたちの選択肢を広げてあげたいです。今できることは、教育を受けるという権利を守るべく、この「教育を攻撃から守る国際デー」を多くの人に関心を持っていただけるように働きかけることなのかなと思っています。

教育への攻撃を止めるために、国際社会はこれまで様々な取り組みを進めてきました。2015年に策定された、学校を攻撃から守り、軍事利用をやめるための「学校保護宣言」もその一つです。2024年8月現在、国連加盟国の半数を超える120ヶ国が支持を表明していますが、残念ながら日本政府はまだ賛同を表明していません。

私たち1人1人にできることは少なくても、みんなで声を上げることには大きな意味があると思います。ぜひ、お友達やご家族に「教育を攻撃から守る国際デー」をお話ししていただけたら嬉しいです。私も、中学生と高校生の我が子に話そうと思います。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。

参考)