特定非営利活動法人ロシナンテス

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スーダン2010.04.12

事故と選挙

事故の知らせを受けて、早速事故現場に向かいました。
ちょうど選挙の前日です。
電話で聞くよりも、まずは現場をみて、直接当事者から話を聞けば事故の状況もよく理解できました。
大きな事故にもかかわらずケガ人が出なかった事が、幸いでした。
roci20100412.JPG
ロッシースタッフを自動車事故で亡くしているだけに、本当によかったです。
でも、事故は注意深く運転していれば、防げます。
そのような危険予知能力が当事者に足りなかったのでしょう。
今、言っても、なかなか頭に入ってこないと思いますので、後ほど当事者には言って聞かせます。
そして、事故の処理に関して、話し合いをしたあと、そのままハサバッラ村に向かいます。
選挙にハサンが立候補(州議会議員)しているので、ちょっと意識的に避けていました。
でも、連日、電話がかかってきて、「来てくれ!」と懇願されていました。
少し前までは、ハサンは泡沫候補のようでしたが、なんと野党がボイコットし
さらにハサンの得意の声高の主張、
そして電話攻撃(ハサンを御存じの方はご理解頂けるでしょう)で
そしてその中身は、「私は日本のNGOと協力して、診療所、水施設、学校建設に尽力してきました」
というものです。
たしかにそうです。
村の人達は、ほぼ間違いなくハサンに投票するでしょう。
そしてラハウィン部族もほぼまとめているといいます。
ハサンが言うには、
「投票者の9割はまとめた、あとの1割は他の候補者の支持だ」
さすが、ハサン、これでは楽勝で当選です。
村では、当選するとの見込み大!との声しか聞かれませんので、
違う村に行って話を聞きました。
すると、ほとんどの人がハサンの支持です。
これは、ひょっとするとハサンの当選かもしれません。
ちなみに、11人が立候補していて、そのうちの野党である3人が立候補取りやめ、
政権与党からも人が出ていますが、野党の支持者がハサン支持にまわっているようです。
「当選した際には、盛大な会を催すよ、もちろんドクトールも参加しろよ!」
恐るべし、ハサン!
どこまで行くのか?
さて、そのハサンに関係する州議会議員選挙から大統領選挙まで全部で8つの投票があります。
比例区や女性の代議士を選ぶことなど、私にとっても大変混迷きわまる選挙ですが、はじまりました。
roci20100412_2.JPG
村の投票所は、日本の方々の善意で建設された(正確には草の根無償資金援助)女子小学校が部隊です。
前の日から警官が泊まり込みで警備にあたっています。
そして、投票所に必要なものの運び込みも前日に終わっています。
ダンボールでできた組み立て式の投票台ひとつで4人が投票できます。
それを二つ組み立てます。
そして、鍵のかかるプラスチックの投票箱。
一つの教室が開放され、そこが投票所になります。
選挙当日。
朝から投票所の準備が続いています。
前日は、投票所に自由に入れましたが、今日はピリピリとしています。
教室の壁に選挙人名簿が張り出されます。
全部で1770名登録しています。18歳以上が投票権を持っています。
名簿には、名前、住所(村の名前のみ)、年齢、性別がかかれてあります。
一番の高齢者は100歳でした。
たぶん、適当に100歳と言ったのでしょう。
ここ5年くらいは100歳が続き、その次は120歳になっているかもしれません。
ここでは、正確な年齢を把握しているお年寄りはいらっしゃらないと思います。
それはいいとして、投票する人はあらかじめ配布されていたラミネートされた登録カードを持ってきます。
この選挙では、選挙をするために事前に登録しておかないといけないのです。
そして、名簿にチェックされます。
そして、投票所へ、8つのチェックする項目を終えて
外に出てきます。
そこで、指に塗料を付けられます。
重複した投票をしないためです。
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村での投票は混乱する事もなく、粛々と行われていました。
投票は3日間行われ、開票作業に4日かけ、18日に発表となっています。
もはや、私の関心事は、大統領選挙ではなく、ガダーレフの州議会議員選挙です。
果たしてハサンは当選するのか?????
川原尚行