2023年度企業版ふるさと納税による協働事業「アフリカから学ぶ国際教育プロジェクト」を実施しました
2023年10月から2024年3月まで、北九州市の企業版ふるさと納税による協働事業「アフリカから学ぶ国際教育プロジェクト」を実施しました。これは、変化の激しい現代に国際社会で活躍できる人材を育成することを目的として、子どもたちや市民にグローバルな視野を広げる学びの場を提供するプログラムです。
小学校9校へ出前授業を実施
このプロジェクトの活動の1つとして、北九州市内の小学校9校で出前授業を行いました。講師は、アフリカでの生活経験があり、元小学校教諭である川原佳代が担当しました。授業の中では、北九州市出身の理事長川原尚行が、スーダンやザンビアでどのような思いで支援活動を始め、困難を乗り越えて継続してきたのかを取り上げました。また、イスラム教を信仰するスーダンの人々の生活の様子を伝え、異文化に接する機会も作りました。さらに2023年4月に起きたスーダンでの軍事衝突も取り上げ、「平和」について考える内容も盛り込みました。
準備にあたっては、カリキュラムと児童の学習内容に沿った授業にするため、事前に担任や教科担当の先生と打ち合わせの時間をもち、授業の時期や教科、内容の選定を行いました。写真や動画などを多く活用し、アフリカの民族衣装や民芸品なども使って子どもたちの関心を惹くように心がけました。
実際に授業を行ってみると、子どもたちや先生の関心の高さに驚かされました。授業中だけでなく、休憩中にも質問をしにくる子や実際に民族衣装を着てみる子もいました。授業後に書かれた感想文には、ロシナンテスの活動やアフリカの生活など各々が印象に残ったことをもとに、自分の生活に置き換えて考えを深めているものが多く見られました。子どもたちの真剣な姿勢を見て、先生たちもこの授業の意義を感じてくださっていました。
<講師の川原佳代よりコメント>
私自身アフリカと関わってきて多くのことを学び、今でもアフリカに行く度に新たなことに気づかされます。そんな気づきや学びを授業の中で感じてもらえたらと思い、このプロジェクトに取り組みました。児童や生徒たちには、ロシナンテスの活動に興味を持つだけでなく、世界の国々やできごとに関心を持つこと、「日本の当たり前」「それぞれの国の当たり前」について考えること、そして日本の素晴らしさを知ることを通して、考えを深めてもらえたら嬉しいです。自分の夢や将来の視野を広げ、北九州から世界に羽ばたくきっかけになってもらえたらと思います。
3月には市民向けの講演・写真展を開催
さらに3月9日(土)には、市民一般向けの活動として北九州市の西日本工業大学小倉キャンパスで活動報告会を開催しました。当日は60名以上にご参加いただき、理事長の川原より、活動を始めた経緯やスーダン・ザンビアでの現在の活動をお伝えしました。そして「アフリカの地域医療に革命を起こすため、取り組みを一歩ずつ前に進めていきたい」と今後の展望を語りました。
報告会終了後は、北九州芸術劇場市民ギャラリーで同時開催の写真展「アフリカを知る活動展示会~医とこころと人~」に移動し、ザンビアでの活動を撮影くださった写真家上山敦司さんと川原による写真展ツアーを開催しました。
1枚1枚の写真のエピソードや込められた思いを聞き、参加者の皆さまからは「写真展をガイドしてもらいながら見ることができ、より理解が深まり良かった」「一つ一つの生のエピソードがどれも魅力的で衝撃的で印象深かった」「とても熱い話で勇気づけられました」などうれしい感想をいただきました。
本プロジェクトは2024年3月で終了となりましたが、ロシナンテスはこれからも、未来を担う子どもたちや市民へ向けて発信の機会を作っていきたいと考えています。