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スーダン2007.06.16

過去のブログより。2006年3月 その2

僕がグランドをジョギングをしていた時の事。
前を走っていたムスリマ(女性のイスラーム教徒)
のヒジャーブが風でめくれた。
ヒジャーブというのは髪の毛を隠すスカーフの事だ。
ヒジャーブの下から三つ編みがちらり。
厳格なムスリマの女性が家族以外の異性に髪をさらすことはない。
サウジアラビアやイエメンに行けば、顔すらも布で覆ってしまう。
それはクルアーンに
「綺麗な場所は隠しましょう。家族以外には見せないように」
と書いてあるからだ。
彼女がヒジャーブの下の三つ編みを
年頃の男に見せることなんてないんだろうけれど、
やはり女の子は女の子なんだな。
男の僕にはわからないが、
きっと三つ編みの嬉しさなんてものもあるのだろう。
シリアでヒジャーブをした女性に
「ヒジャーブをどう思いますか?」と聞いたら
私達は好きでやっているのよ、とても快適だわ。との返事。
女の先生もこう言っていた。
「欧米の人たちの中には、ヒジャーブを女性への差別だと
言う人もいるけれどヒジャーブをすることによって、
アッラーに守られていると感じて落ち着く人もいるのよ」
イスラームは女性を差別していると言われる事がある。
それは男女差別なのではなく、男女区別なのだとムスリムは言う。
男には男の役割があって、女には女の役割がある。
力のあるものが外で働いて金を稼ぎ、子を産むものが家庭を守る。
それは当然じゃないか。
そのような考え方だ。
僕らからしたら、選択肢の限られた生き方かもしれない。
それでも「あの女性たちはかわいそうだ」
などと外の人間が口を出す事ではないように思う。
幅が限定されていれば、そこに深みが生まれるものだ。
風が僕に見せた小さなオシャレ。
アッラーを信じるものには、アッラーのもとでの幸せがあるのだ。
(その人がいわゆる女権拡張論者ならば、
イスラームにおける女性待遇は苦痛だろうけれど。)
荒井繁