ラマダン風景
ガダーレフからハルツームに車で一人での移動です。
急ぐこともなく、事故に遭わないように、のんびりと運転していきます。
日が徐々に傾いてきました。
そうです、もうそろそろイフタール(ラマダン後の食事)です。
私も断食していますから、おなかがペコペコです。
ハイウェーをとばしていますが、この時間になると路肩に人がたくさん出てきます。
手を振って、大きくジェスチャーで呼び寄せています。
私は、何度もこの光景を見ていますので、なんともないのですが、
初めてこの光景を見ると暴動でも発生か!と勘違いしてしまうでしょう。
これは、「旅ゆく人たち、一緒に食事をどうぞ!」というサインです。
私のほか、トラックが5台、乗用車2台、そしてバスまでが停車しました。
そして、ここの住民を含めて100名以上での食事です。
これが、なんとも嬉しいものです。
考えても見てください。
何千万人という人が、断食後に、いっせいに「いただきます」といって食事を始めるのです。
想像するだけでも面白いものです。
日中、食事できないのは、ある意味規制です。
自由なんかではありません。
規制をかけた後、解除された開放感!
これは、ずっと自由であった時よりも、単純なことで嬉しさを感じます。
欲望とは尽きないもので、それをぐっと抑えてこそ、簡単なことに満足して
幸せの閾値が低くなるのです。
みなさんも、小さなことでよいですから、欲望を少ーし抑えて、ある時に解放したら、以前よりも簡単なことで幸せを感じられますよ。
ご飯を頂き、飲み物を飲ませてもらい、みんながモスクに行きますので、私もつられてモスクへと向かいます。
そして、この食事をありがとうございます。とお天道様にお礼をのべ、
最後にコーヒーまで御馳走になって、「じゃあね」と再び車に乗ります。
この風景を皆様にも味わってもらいたいです。
川原尚行