スーダン2009.09.02
私立病院
先日、スーダン人医師の重鎮である方と話をしました。
彼は、日本が無償で建設した病院の院長を務め、現在はスーダンで一番有名な私立病院の院長でもあります。
彼は、医学における知識、そして一般常識においても卓越したものがあります。
彼から提案を受けました。
日本と共同して大きな私立病院を建設したい!
現在、スーダンでは、多くの人々がスーダンではなく、海外で治療を受け、その費用は年間500億円になり、
これをスーダン国内での病院を建設することにより、歯止めをかけたいとのことです。
そのために、ぜひとも日本からの協力を!
私は、彼の病院をよく訪問して中身を知っているのですが、それはスーダンでは立派な病院です。
ただし、ここの患者さんはすべてお金持ちの階層です。
欧米社会では、当り前で、さらにアフリカでも当たり前のことですが、お金によって受けられる治療が違ってきます。
日本では、想像もつかないことです。
ですから、いくら日本人が協力して私立病院をやっていこうにも、私にはどうやって運営していくのか全く想像もつきません。
もちろん、お金を持っている人がスーダンではなく海外での医療を求める風潮をとめ、
スーダン国内にとどまって診療を受けること自体に何ら反対はありません。
日本人である私にはわからないのです。
半分を金持ち専門病院にして、半分を貧者でも見ることのできる病院にしようかな、とか
どうも、しっくりときません。
アフリカに10年以上いる私から見ると、日本の医療は最高です。
それを甘受している日本の国民は、幸せだと思います。
そんなことをラマダンの夜に考えておりました。
川原尚行