日本からの学生さん
今、スーダンに日本からの学生さんが来ています。
今までに、40人近くの学生さんを受け入れてきた経緯があり、これからも受け入れをしていく予定です。
この学生受け入れ事業ですが、スーダンでは他の国と事情が違い、非常に難しい事業です。
たぶん、他のNGOで行っているところは、少なくとも私の知る限り、ありません。
まずは、スーダン政府が学生の受け入れに難色を示しています。
要は、NGOに研修と称してきて、学生が何をするのか分からない。
また、そのNGOがスーダン政府に対して旗色の悪い情報をその学生に流し、
その学生を通じてその悪い情報が伝わっていく。
以上のようなことを、懸念しているようです。
そのために、NGOを管轄しているHACから学生に関しては、ビザは出さない旨の通達を受けました。
逃げ道はあるもので、ロシナンテスは大学と協定を結び(これはまだ協議中ですが)、それに基づいて学生受け入れを行っている。
という風に算段をしています。
今回は、大学から日本の学生に招待状を書いてもらい、スーダンのビザを取得し、スーダンに入国してからは、大学の研究として
地方に行かせます、とのレターを当局に提出して、旅行許可証を出してもらいました。
検問でも、その大学からのレターで大丈夫でした。
私はスーダンほど面白い国はないと思っています。
ただし、通りいっぺんにこの国を見るだけではなく、深くこの国を見れば見るほどそう感じてきます。
それを学生さんにも少しでも感じてもらいたいのです。
今回の学生さんは医学部6年生でした。
今日、ハルツームの病院の研修医1年目とディスカッションを行いました。
研修医1年目は、それは立派なものでした。
良く勉強しています。
また、この日本からの学生さんは法学部も出ており、国際法を学んだとのことでした。
そこでスーダン政府の要人を紹介し、国際刑事裁判所が裁定を下したスーダン大統領への逮捕状発布に関しても
議論を行いました。
自分の立ち位置が違えば、もちろん見方も違ってきます。
どれだけ、いろんな角度から物事をとらえられるか?
そして、それをどう統合的に判断できるか?
それが真の勉強につながると思います。
手続きは、非常に煩雑ですが、この事業を引き続き行っていきたいと思っております。
川原尚行