慰安旅行終了
前回の続きです。
ハルツームからスタッフがやってきたのは、もう夕暮れ間近のことでした。
今回は、20名もの人の移動があり、それを日本的にスムースに行くようにするのは、もともと無理なことです。
スーダンでは、スーダンなりのスタイルで行くことです。
当たり前のことですが、頭の中で繰り返します。
ハサバッラ村へと到着したのは、もう8時過ぎでした。
それでも、村の人たちは、我々の到着を歓迎してくれ、夕食をふるまってくれました。
これには、本当に感謝します。
今まで、村の人たちと我々ロシナンテス・スタッフとのいろんなことがありましたが、時間をかけて
触れあえば、少しずつでもお互いに近づいてくるものです。
その距離が、ずっと近くなるのを感じました。
そして、ハルツームの都会人であるスタッフが村のグッテイーヤでみなで寝ました。
翌日は、車で2時間ほどのところにあるカッサラに向かいました。
ここは、きれいなそして面白い形をした山がそびえており、スーダンの新婚旅行のメッカです。
そこの湧水は、聖水とされ、この水を飲むものは再びこの地に戻ってくる、とも言われています。
私は、2003年の洪水災害のときに、カッサラを大使館員として訪問し、
その惨事を報告して、日本政府からの援助につなげたこともある思い出の地です。
確か、その時も、この水を飲んだので、私もその伝えのように戻ってきたことになります。
この地域を流れる川はガッシュ川という暴れ川で、そのために03年の洪水災害が引き起こされました。
面白いことに、この川は涸れ川です。雨季には大量の水が流れているのに、乾季では、全く水がなくなります。
方丈記にあるように「ゆく川の流れは絶えずして・・・」ではなく、ゆく川の流れが絶えるのです。
面白いです。
そして、この地は果樹が豊富にあります。
今回ピクニックにいった農園では、グレープフルーツ、オレンジ、それにバナナがありました。
私は、果物泥棒のように、グレープフルーツを木からもぎ取り、5つも食しました。
本当に美味しかったです。
こんな感じで、慰安旅行を行いました。
NGOで寄付金から成り立つ団体だから、遊ぶなよ!
と仰る方がいらっしゃるでしょうが、どうかこらえてください。
たまには、みなでピクニックに行くのもお許しください。
その分、きっと働きづめよりも、実のある活動を行ってまいりますから。
川原尚行