長距離バス
長距離バスでガダーレフまで向かいます。
午後1時出発のバスに乗るべく、準備をしていたのですが、
11時に来るはずの来客(賓客です)が、12時に到着。
話も盛り上がって、結局バスターミナルに到着したのは、2時ごろです。
前回岩間さんは、3時くらいにバスターミナルに行き、最終のバスが出たからと
車での移動となった経緯もありました。
そこで、確認をするとガダーレフ行きのバスは、まだあるとのことで安心したのです。
ここまでは、順調でした。
しかし・・・。
長距離バスに乗るには、バスターミナルに常駐する警察官にパスポートを見せて登録をしなければいけません。
その警官がいないのです。
私が察するところ、隣の部屋もその隣の部屋もエアコンが故障して部屋中が水浸しになっていましたから
それが嫌で部屋から逃げ出したように思いました。
ドアに電話番号が書いてあったので、そこに電話しますが出ません。
他にも、外国人がいますが、この警官がいないためにバスに乗れません。
スーダンでは、面白いことに、その人に全権を委任しています。
つまり、代わりの人が、その人の仕事をしてはいけないシステムです。
そのために、その本人が中座しただけでも、すべての業務が停止されます。
1時間待っても、警官は来ません。
他の警官に問いただしますが、「もうすぐ来るよ」の一点張り。
さらに30分が経過したところで、このバスターミナルで一番でっぷりしていて、
偉そうな人がいたので、彼に窮状を述べました。
彼は、クーラーの効いた自分の部屋に私を入れてくれて、
「それはお困りでしょう」
と優しく接してくれます。
そして、その担当警官を探しますが、埒があきません。
「どうしようもないやつだ」
と言いながら、別の警官を呼び寄せ、私のパスポート情報を書かせ
「これで、登録は終了しました。さあ、出発してください」
それまで、何人もの人にお願いをしましたが、だめでした。
あの一番でぶった人が総責任者だったのでしょうか、解決しました。
ここまで2時間のロスです。
さて、ようやくバスに乗り込みましたが、乗客が5人しかいません。
スーダンでは、乗客が満員になってから出発します。
満員になるまで、30分くらいかかるだろうと、バスの中で寝ました。
しばらくして、乗客を確認すると10人程度です。
もちろん、まだ出発しません。
時間が経過していきます。
1時間、2時間、そして3時間。
スーダン政府の人がきて、もう遅いからガダーレフ行きを止めて、途中のメダニ行きに変更しなさい
との通知です。
そして、メダニ行きの乗客で満席になります。
たまらないのは、ガダーレフに行こうと思っていた私を含めての10人です。
スーダン政府の役人と掛け合います。
もめること30分。
ようやくバスはメダニ停車のガダーレフ行きとなりました。
気がつけば、昼ごはんも食べていませんでした。
バスの中で出される本当の粗食ですが、それが妙に美味しかったです。
しばらく経って、大雨が降ってきました。
すると、あろうことか、私の座席の窓はきちんとしまっているにもかかわらず、
どこからともなく、雨漏りがしてきました。
窓にあるカーテンを雨よけにして、なんとかしのぎました。
そんなこんなで、ガダーレフに到着したのは夜中の1時半でした。
いやー、いつもながら楽しいスーダン庶民ライフでした。
そうです、これを怒ってはならないのです。
当初は、このようなことに腹を立てていましたが、いまでは考え方を変えました。
面白いイベントが目白押し、しかも予測だにしないことが次々に起こるテーマパーク「スーダン」
日本では決して体験できません。
お金を払ってでも体験したいものです。
最後におまけとしてガダーレフ宿舎で蚊の大群に襲われました。
川原尚行