世界の家族のかたちとは?日本とスーダン、似ていること違うこと
こんにちは、インターン生の久保です。
草木が青々と茂って過ごしやすい気候になってきましたね!5月の記念日といえば何を皆さんは思い浮かべますか?私は、子どもの日がパッと思い浮かびます。小さい頃、祝日で仕事がお休みの両親にたくさん遊んでもらったり、いろんな場所に連れて行ってもらったりした想い出深い日です。
本日のブログでは子どもの日と10日違いの5月15日の国際家族デーを紹介します。この国際家族デーをきっかけに家族について考えていただけると嬉しいです!
国際家族デーとは?*1
各国内・世界全体の多様化が進んでいく中で社会の基本単位である家族の形にも変遷が訪れています。その変化は、良い方向にも悪い方向にも進んでいるように感じます。
国際家族デーは、
・家族に関係した問題についての認識を高めること
・家族における男女の差別・暴力・貧困のない家族の形成
・医療や教育をはじめとした基本的な支援のある家族が世界中に広がる
ことを目的として1989 年12月9日に制定されました。
日本とスーダンの”家族”の相違点
日本とスーダンの家族の在り方で大きく異なる点は一夫多妻制だと思います。今の日本にはない制度なので、一夫多妻制がどのようなものか少し説明をさせてください。
一夫多妻制は、宗教戦争で多くの兵士が命を落とした際、残された戦争未亡人や孤児を救うために生まれたと言われています。「一夫多妻制ってことは好きになった人みんなと結婚できるの!?」と、思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、主にイスラム教が信仰されているスーダンでは、コーランの規定上、妻に迎えることができるのは4人までと決められています。また、2人目以降の妻を持つ場合には、1人目の妻の許可が必要です。そして、複数の妻を持つ場合、扶養・出費・時間やその他の夫の義務において平等に扱わなくてはなりません。そのため、複数の妻を娶るには、家族の信頼関係はもちろん多くの労力が必要です。
日本も一夫多妻制だった!!
このように日本とは全く異なる制度がスーダンにはあるのだと驚かれた方もいらっしゃると思います。しかし、実は日本も一夫多妻制を江戸時代まで採択していました。大きく異なると思っていた点がなんと1番近い合致点でした!!この事実、ご存知でしたか?
他にも、結婚することが決まった際には両家の家族に挨拶に行くという風習があります。これは、日本ととても似ていますよね。また、男性とその家族は馬やヤギ、羊をお嫁さんの家族に送ります。今はあまりありませんが、日本もかつて明治時代から「納采」や「納徴」という形で物を贈っていました。
イスラム圏の婚姻と聞くと、男女差別があるというイメージを持っている方もいるかもしれません。しかし、新しく娶られたお嫁さんは、以前のブログでも紹介させていただきましたが、新婚旅行へ行ったり、旦那さんのご両親からも大事にされます。自己主張をはっきり行い男性にも物怖じしない人が多く、「母は強し」というのは世界共通かもしれません。
世界の家族のかたち
日本でも拡大家族から核家族、単身、同性カップルなどさまざまな形態の家族が増える中、世界各国の家族の形も変化してきました。特にヨーロッパ諸国では、1人で生活することが自立だとみなされていたため古くから核家族が多い傾向にあります。しかし、LGBTQ+への理解を学校・職場・政治などレベル別に様々な先進的対策が取られていることによって家族の多様性の拡大は勢いを増しています。*3
スーダン・ザンビアが位置しているアフリカ諸国では、一夫多妻制の制度があるのもありますが、世帯人数が多いことが特徴です。しかし、その他の理由として経済状況が厳しく、家族で助け合う風潮があることも考えられます。こうした文化が、経済難や社会問題による家族形態ではなく、家族愛・地域の強い結びつきが理由として挙げられる社会だと素敵ですね。
日本で暮らしていると、日本の制度が当たり前のように感じてしまいますが、世界にはいろいろな家族の形があり、少しずつ変化しています。日本でも、明治時代に大きな変化があったように、現代に合わせてよりより形に変化させていけるとよいですね。
日々家族の定義が変動し多様化している社会ですが、連休が多いこの5月「家族」とは何か、ご自身なりの考えを見出したり家族との時間を取ってみてはいかがでしょうか。
参考
国際家族デーとは
*1https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/social_development/integration/family/
*2
https://www.bbc.com/japanese/34674253
*3