Hold Your Last Chance
群馬での怒涛の三講演をこなし、次は東京経済大学での講演会があり、
その後、熊谷に向かいます。
いったい、誰がこんなスケジュールを考えたのでしょうか!
行ったり来たりです!
(私が考えたのですが)
さて、熊谷ラグビー場でラグビーをしようと考えておりましたが、
群馬の高崎で鈴木先生と一緒に風呂の中で話をしていると
気が変りました。
やっぱり、私のラグビーをやめて、息子のラグビーを応援しに行こう!
日曜日の夜も仕事があったのですが、その辺の状況はどうでもよく、
とにかく、息子のラグビーの試合が見たくなりました。
そして、埼玉県の熊谷を朝6時に出発して、北九州へと向かいます。
親父に空港まで迎えに来てもらい、まずは娘のバレー部へと向かいます。
そこで、娘の応援を行い、それから息子のラグビーへと向かいます。
福岡県の高校ラグビーは、レベルが非常に高く、福岡大会の準決勝は全国大会の準々決勝くらいな感じかと思っています。
さて、小倉の対戦相手は、筑紫です。
とても力のあるチームです。
小倉もチーム力が上がってきていると聞いていたので、期待してグローバルアリーナに行きました。
多くの観衆がいます。
準決勝一回戦が行われており、東福岡が福岡を相手に猛攻を続けていました。
小倉は、試合前の練習を行っています。
アップも終わり、選手がいったんスタンドのほうに引き上げます。
その中に、息子の姿もありました。
私の横を通るとき
「おまえのために、東京から来たぞ!」
「わかってるよ」
といった、息子の眼は少し赤くなっている気がしました。
各選手にも、声をかけます。
「勝てよ!」
試合開始です。
開始早々にトライを決められます。
小倉はいつもエンジンのかかりが遅く、相手に先制点を許してしまいます。
いつものパターンです。
いろんな方が、私に声をかけてきますが、
「申し訳ないのですが、ラグビーに集中させてください」
といって、失礼を申し上げました。
だって、東京から日帰りで、このラグビーを観に来たのですから。
息子は、懸命にタックルに行っていますが、相手のほうが上です。
以前よりも、よくなってはいるのですが、それでも足が出てなく、上体のみでのタックルとなっています。
前半を大差をつけられました。
後半でも、同じ感じでトライをとられていきます。
小倉のタックルも甘くなっています。
そして、チームの中からの声もでていません。
トライをあげられ、シュンとしている小倉フィフティーンに
「お前ら、小倉の根性を見せろよ!最後までラグビーをしろよ!」
私は大声で叫びます。
負けてもよいのです。
でも、闘志を最後まで見せてほしいのです。
ただ、それだけです。
最後の小倉がトライをあげました。
意地を見せてくれました。
結局は、大差での敗戦となりました。
でも、これから頑張ればよいのです。
そして、最後まで強い相手に闘志を見せる「ど根性」を身に付けてほしいです。
私は、すぐにおやじの車に飛び乗り、空港へと急ぎます。東京へとんぼ返りです。
車中、親父は助手席にいますが、私は長渕剛の歌を歌います。
傷つき 打ちのめされても
はいあがる力が欲しい
人は皆 弱虫を
背負って 生きている
にがい涙を かじっても
ほほえむ優しさが欲しい
君が愛に しがみつくより
先ずは 君が強くなれ
Hold Your Last Chance
小手先ではがれ落ちる美しさより
ひとつぶの汗がいい
二度と走れぬ坂道を上ったら
Hold Your Last Chance
川原尚行