特定非営利活動法人ロシナンテス

活動報告ブログ

ロシナンテスからの活動情報をご案内します。

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砂の脅威を体感……!トラブルだらけの出張

活動地である村落部へ向かう道のりでは、様々なできごとが起こります。今回職員を泣かせたのは、学校事業の事業地への往復で起こった「車にまつわるトラブル」でした。

スーダンのレンタカーは基本運転手付き!

スーダンにはHAC(Humanitarian Aid Commissioner、人道支援委員会)というNGOを管轄する政府機関があります。国際NGOが地方出張に行く場合、HACから移動許可を発行してもらう必要があります。また、HACや事業に関連する省庁の職員が出張に同行するケースも多く、その場合には、レンタカー代や軽食代をNGOが負担します。

今回も、HACや省庁職員の同行により、ロシナンテスの車のほかに1台レンタルする必要がありました。

スーダンの「レンタカー」は、基本運転手さんがセットです。そのため、運転手さんの運転スキルやコミュニケーション能力も加味してレンタルします。しかし今回は、砂地での運転に慣れている「いつもの運転手さん」の車が整備中でお願いできず……。不安を抱えながら、初めての方にお願いすることになりました。トラブル…というほどではありませんが、メンタルが削られた1つめのできごとです。

タイヤにやさしくない国スーダン

出発当日、レンタカーの運転手さんから「車のタイヤがパンクした」との連絡が入りました。

スーダンは、夏には50℃を超えることもあるくらいに暑い国。アスファルトや砂地も尋常ではない熱さになります。そうした熱さによるバーストや、道に落ちているさまざまなものを踏んでしまったことによるパンクは、日本に比べてとても多いのです。

なんだかんだで修理に時間がかかり、予定より1時間半ほど遅れての出発となりました。これが2つめのできごとです。

砂にはまって抜け出せない…!

3つめは、本格的なオフロードに入って直面した砂地でのスタックでした。

砂漠では、轍を辿りながら走ります。路面はもちろんでこぼこで、車体は上下に揺れながら進みます。そんな中、轍が深くなっている場所で車体がはねて轍の間の砂山に乗り上げ、タイヤが地面につかなくなって空回りし、車が動かなくなってしまうことがあるのです。雨季に泥地でスタックするのも大変ですが、砂地でのスタックも大変です……。

アクセルを踏んでも砂を巻き上げるだけで車はまったく前に進まなくなりました。こうなってしまうと、タイヤがきちんと地面につくまで、車体の下の砂をかき出すしかありません。

とりあえずスコップで砂をかき出す…

代表の川原も全力投球…

スタックから抜けだそうと四苦八苦する様子

全員砂まみれになりながら手やスコップで砂をかき出し、ロシナンテスのドライバーアダムとレンタカーの運転手さんが抜け出そうとチャレンジしますが、なかなかうまく行かず……。

30分ほど格闘し、最終的には代表の川原の運転で抜け出すことができました。3人の中で最も砂地のオフロード運転経験が豊富なのが川原だったのでした。思わず歓声が上がったできごとです。

どんどん沈んでいく太陽を横目に見ながら、砂漠の国に潜む脅威を身をもって体験しました。

とうとう修理屋さんにお願いする事態に…

4つめに発生したのは、ラジエーター(車のエンジンが高温になるのを防ぐため、冷却水が入っているパーツ)の不調です。常に熱を発するエンジンには、必ず熱を奪って冷やす仕組みが備わっています。今回はその冷やす機能が壊れたことで、エンジンがオーバーヒートしてしまいました。あわや炎天下で立往生か……!と焦りましたが、ドライバーのアダムがいろいろ試行錯誤の上なんとかしてくれ(なにがどううまくいったのかは不明でした…)、大事に至らずにすみました。

何とかなって安心した矢先、自分たちではどうしようもなくなった5つめのできごとが、エンジン冷却のためのファンの故障でした。ハネが1枚折れて、まったく動かなくなってしまったのです。ファンが動かないとラジエーターの冷却水を冷やすことができず、やはりオーバーヒートしてしまいます。

あぁこりゃだめだね、な顔

幸いにも村を通りかかった際の故障だったので、一旦故障した車は置かせてもらい、村の人にトラックを借りて事業地に到着することができました。

(ぱっと見ではよくわからないと思いますが)ここは道路の真ん中だったため、村の端までもう1台の車で牽引して移動
手伝ってくれた村の皆さん

翌日州都オベイドから修理工に来てもらい、無事に帰路につくことができました。ちなみに帰路でももう一度砂でスタックし、再び砂のかき出し作業が発生したのが6つめのトラブルとなりました。

国土の大半が砂漠である灼熱の地スーダンでは、車のトラブルは避けて通れません。しかし、1度の往復で何度もトラブることはそこまで多くありません……。今回はトラブルまみれの出張となりました(涙)

最後に…

こうしたトラブルに備え、事業地に向かう際には必ず下記のようなものを持っていきます。

・十分な水
・糖分が摂れる非常食
・スコップ 2本
・モバイルバッテリー
・虫除け
・冬なら毛布

今回特に活躍したものは、こちらでした!

・スコップ 2本
・十分な水

砂地で活躍するおすすめアイテムなどご存じの方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えていただけましたら嬉しいです!