秘書しげちゃん1
みなさま、ご存じのしげちゃんは、2005年にスーダンのハルツームの街中で
私と出会いました。
「スーダンで何するん?」
「お金の続く限り、勉強をしたいです」
「それなら、おれが面倒みるからホテルを引き上げてこい」
そして、我が家の連行してきました。
そのときの家主は竹友だったのですが、家主への相談なしでした。
もちろん、竹友が嫌というわけはありません。
それから2年間、しげちゃんと一緒に過ごしました。
日本テレビの「今日の出来事」に出演した際には、しげちゃんの顔がよく出てきました。
しげちゃんは、よく言っていました。
「ダブル・ムキュウ」
そうです。無休に無給だったのです。
昔でいう「書生」でした。
それでも、彼はモチベーション高く、仕事をこなしてくれました。
しげちゃんは、アラビア語の達人で、スーダン人世界の奥深くに入ることができます。
また、面白い着眼点で物事を考え、私は感心させられることも多々ありました。
しげちゃんの2年間の書生も終わり、ロシナンテスを巣立って行きました。
その後、ドバイで通訳として活躍しましたが、彼は金に執着せず、
必要最低限の金を稼いだのちに、エジプトにわたり勉強を続けていました。
そして、今回新たにロシナンテス・スタッフに加わることになりました。
もう書生ではありません。
27日に東京で理事会があったさいに、挨拶にきました。
しげちゃんは、そのまま家に帰る予定でしたが、
「おまえ、今から秘書をせい!」
と、しげちゃんを私のホテルに引っ張り込みました。
しげちゃんは、着替えも何もなく手ぶらできていましたが、そんなものはお構いなしです。
私は、ものをなくしますし、時間にルーズなところもあり、さらに方向音痴でもあります。
私の秘書は、たいへんなものです。
しげちゃんは、あせだくで私の秘書業をこなしています。
着替えがないので、パンツとシャツを買ってあげました。
そして、夜の席も一緒ですから、私の睡眠時間と同じで3時間程度になります。
一昨日に「たまプラーザ」にある高校時代の友人夫妻の家に泊まりました。
翌日は、高崎までの移動です。
東急で渋谷まで出ないといけないのですが、私もしげちゃんも満員電車は苦手です。
たぶん、二人とも窒息死するでしょう。
それで、裏ワザ。
逆方向に新横浜にでて、そこから新幹線で高崎へと向かうことに。
高崎では、上武大学が午前中の授業を休講にして、私の講演会を予定しています。
学長秘書さんから、9時52分着の新幹線に乗るように言われていましたが、それに間に合わず
10時1分着となりました。
学長さんは、その9分は気が気でなかったと思います。
私のことですから、前日に飲みすぎて眠りこけ、高崎を通過して長野に行ってしまったのではと考えたようです。
私の姿を見つけて、本当にホッとしたと言っていました。
群馬では、3つの講演会が予定されています。
しげちゃんの実力の見せ所です。
それは、次回お楽しみに。
川原尚行