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スーダン2007.06.04

過去のブログより。2005年11月 その2

スーダンを特集したドキュメンタリーを数本見た。
どれも日本で放映されたものだ。
そこではスーダンが地獄のように編集されていた。
20年にわたって続いた内戦。貧困。感染症。そしてダルフール。
もちろんそれはそれで現実ではあるのだけれど、
ほかにも生活の顔はあるよ。と伝えたい。
マスコミは衝撃のある事実を伝える。OK。
それが役割だ。だって僕らはそれを求めているからね。
けれど僕は職業で書いているわけじゃない。
すぐに忘れられてしまうような平凡な事実も伝えたい。
よかれあしかれ大抵の生活ってのはそんなものだ。
僕が記すのは実に日常的なこと。
朝起きて夜眠るまでに、僕の目に映ったこと。
それだけ。だから面白みを感じさせられないかもしれない。
手に汗を握らせることもなく、
読んだ誰かのターニングポイントになるわけでもない。
ただの日々の記録。
それでも、僕を通してスーダンをイメージしてもらいやすいのでは、と期待もしている。
僕の役割は伝える事、結ぶ事。
日本とアフリカに橋をかけること。
だから今、書いている。
さて、他の国では知らないが、
スーダンでは子どもの出生7日目に命名式が開かれる。
親戚知人が集まって、この喜ばしいことを祝う。
特に何をするというものでもないが、一同で食事や会話を楽しむのだ。
そのパーティーに参加して来た。
友人の母親の弟とお嫁さんの間に生まれた子どものための日。
ベッドに並んで眠る双子のあかちゃん。
動きもせずに寝ている。
もしかしたら死んでしまったのでは、と不安になる程だ。
しかし、しばらく眺めていたらゆっくりと目をあけた。
目は開いているものの、何かを追うという動きはない。
ふと顔にシワをつくり、手足をばたつかせた。
1週間前までは羊水の中にいて、へその緒で栄養を取っていたのだ。
それが今は肺で呼吸をし、母乳で命を動かしている。
先週の事だが、まだこの感動を思い出せる。
荒井繁