難民・国内避難民居住区を含む村落部の医療アクセス向上を目指して
アフリカ・スーダンで、支援や情報が行き届かず、取り残されている地域の医療アクセス向上を目指すプロジェクトを実施します。
近くに医療施設があったとしても…
ロシナンテスが巡回診療や診療所建設を行ってきたハルツーム州東部のシャルガニール地域では、広大な土地に農村地域や難民・国内避難民居住区などが点在しています。
都市部から離れた農村地域では、通える距離に医療施設がなく、またインターネットや電話が通じないなどの理由で正しい情報の入手も難しい状況にあります。
比較的都市部に近いところにある、南スーダンやダルフール系住民が多く住む難民・国内避難民居住区でも、
・医療制度や施設についての情報が少ない
・薬代や交通費の捻出が難しい
・文化の違いから受診をためらう
といった理由から、医療施設へアクセスできていない人が多くいます。
こうした地域は、保健省が実施する啓発キャンペーンや国際機関・国際NGOのサポートの対象からも漏れやすく、新型コロナウイルス感染症対策を含む感染症の予防対策の知識や対処方法についての情報も行き届いていません。
新型コロナの流行開始から2年たったが…
昨年訪れた農村地域の住民の話では、新型コロナウイルス感染症の詳細や予防法について、知っていることはほとんどない、とのことでした。新型コロナの流行が始まっておよそ2年が経過していますが、情報を隅々まで届けることの難しさを改めて実感しています。
ロシナンテスは、こうした状況を改善するため、
・スーダンの医療システムや社会制度への理解を深めてもらう
・正しい知識を学び、ワクチンを接種する住民を増やす
・感染症に関する知識や予防・対処方法を啓発できる人材の育成を行う
ことで、人々の環境改善を目指します。
また、対象地域の一つであるニゼーラ村では、給水施設はあるものの貯水タンクがないため、水を利用するたびに発電機を利用しています。(スーダンの多くの地域では地下水が深いところにあるため、動力を利用して水をくみ上げる必要があります。)
しかし、これまでお伝えしてきた通り、スーダン国内は燃料の高騰や燃料不足の影響が本当に深刻で、発電機に使用する燃料が手に入らず、十分な水が使えない環境にあります。感染症予防には水の確保が重要になるため、啓発活動と合わせて、ニゼーラ村への給水タンクの設置も行う予定です。
※本事業は、風に立つライオン基金様からのご支援、およびご支援者の皆さまからのご寄付で実施いたします。