特定非営利活動法人ロシナンテス

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スーダン2022.01.13

受診を諦めていた地域が、安心して住める場所にー建設した診療所の今

昨年末、ハフィール事業の準備に向かう道中、ロシナンテスが建設を行った診療所にも立ち寄りましたので、診療所の現在の様子についてレポートしたいと思います。

受診を諦めなくてすむように

アルハムダ村の診療所は2016年に完成しました。東京都と同じくらいの広さの地域に1つも診療所がなかったこの地区では、医療を受けるには月に1-2回の巡回診療を待つか、時間と交通費をかけて遠くの病院を受診するしか方法がありませんでした。近年のスーダンはインフレーションの影響で交通費の値上がりも厳しく、バスなどの公共交通機関に気軽に乗れない人も増えていることから、受診を諦めざるを得ない人も多くいました。

診療所には現在10名の医療従事者が勤務しており、簡単な診察や治療、予防接種や妊婦健診などが行われています。患者さんの人数は1日10〜15人程度とのことで、必要な時に行ける診療所として機能しています。

診療所ができて、安心できる環境になった

診療所で会った地域住民に話を聞いたところ、以下のような声が寄せられました。

「診療所が運営されることによって、巡回診療を待つ必要がなく、遠くへ行かなくても毎日医療を受けられるようになり、以前より安心できる環境になった。」

「子どもの予防接種が近くで受けられるようになり、便利になった。」

「大きな病院を受診すべきかどうか自分たちでは判断できなかったが、医療従事者に判断してもらえるようになった。」

女性職員が活躍する保健省と協働

今回の診療所訪問には、保健省の職員さんも同行してくださいました。印象的だったのは、ミーティングの際に男女の区別なく活発な議論があったことです。

活動報告会等で日本のみなさまから、女性の社会参加についてご質問をいただくことがあります。確かにイスラム文化においては男女の立場の違いが目立つこともありますが、スーダンの行政機関では、たくさんの女性職員が活躍しています。今回の事業地訪問でも同行した省庁職員の半分以上が女性でした。

彼女たちは、多くの人が集まる場でも臆さず活発に議論に参加し、頼もしい存在です。

ひたすらオフロードを進む村への道のり

事務所を出発し、オフロードを進んで、村に行く途中の休憩の様子です。首都ハルツーム州でも郊外に出ると、のどかな風景が広がります。

シャルガニール地域への事業地訪問は日帰りで行くことが多く、帰りは夕暮れ時になります。スーダンでは、1年のほとんどが夏ですが、暑い季節は日没時もあまり夕焼けしません。冬だけは空が赤く染まる夕焼けを見ることができます。地平線に沈む夕陽はとても綺麗でした!