日本人学生スーダン研修活動 感想文2
報告:別城悠樹
2009年3月22日?30日までスーダンで、ロシナンテスで研修しました。
きっかけとしては、クラスメートが川原さんの講演を聞いたことです。私が将来を考えるとき、発展途上国で働くことを考えていませんでした。その世界に身近な人がいて、たまたまテレビで特集されていて、それでさらにどんなものなのか知りたいと思いました。講演を聴いて内容の概要を把握して、おもしろそうでたいへんそうということはひしひし感じつつも、なぜそこまでスーダンなのかは実際見るまで分からないことでした。
研修内容は主として以下の3つです。
1)Khartoum(ハルツーム)、Gedaref(ガダーレフ)、ハサバッラ村での医療活動を見学しました。
思ったことは、地域ごとであまりに医療レベルがことなっているということです。村には資源があまりに限られていて、都心部の人も問題だとは認識しつつ、村で働きたいという魅力は感じていないです。意思伝達がもっとでき、意思が尊重される環境作りが必要でした。
2)HAC、Gedaref(ガダーレフ)の厚生省(?)を見る。特に厚生省では理想と現実にギャップがあって、田舎エリアの質は保てていないとのことでした。金銭的に余裕がなく難しい問題でした。政府が、田舎での最低限の医療を確保することが絶対に必要ということを、州民全体で抱くと共に、田舎サイドから税金にかわる政府へのサポートも重要で、それが何なら可能か見つけ出せなかったです。
3)食事を通してスーダン人と触れ合う。スーダンで出会った人たちはとても温かく迎えてくれ、ニュースではしれない魅力を感じました。積極的で社交的で接しやすく、うまく対応できない私にもよくしてくれます。ただ、私も英語をしっかり使えるようになり、それを材料に深く接することができれば表面的でないスーダンがみえて、それは課題でした。
研修を通して、多くを直接的に感じることができた。具体的には、スーダンの状況がニュースで見たものとは少し異なるということ。体制が十分ではなく、地域での特に教育・医療が乏しいこと。人々はとても純粋で、フレンドリーで、優しいということ。自分の目、肌で感じて初めて分かることだと思います。
スーダンと日本を比較すると、発展した国、途上国。宗教が弱い国、強い国。それによって日本では安全に過ごせる一方、スーダンでは貧富の差があったり争いがあったり。そういった問題を身近に感じ、日頃から敏感に考える必要があります。
将来への希望として、一番強く思うのはこの報告書を含めて文章を書く機会を大切にして、もっとうまくなりたいです。
また、車の上から広大な砂漠を見たとき、今までと全く異なる景色でこれからは一つの見方に限らずにものごとをとらえます。単にメディアや他人のコメントを鵜呑みにするのでなく、可能な限り実際にみて、その上で他人の意見や視点を参考に多角度からものごとを捕えていきたいです。また、スーダン人の社交性、親切さをお手本に(私にはあそこまでは無理なので参考にして)、深く人と接することで、異なる生まれ・考え方を理解し、互いに尊敬し合い、わだかまりのある場で、橋渡しをできる存在になりたいです。
最後に感想として、スーダンで、肌の色、宗教、町の発展度合いが違う場にこれたことはとてもありがたいことです。日本にいると、日本の生活が普通で、日本の人が当然ですが、研修によって、日本の環境の快適さ、スーダン人の温かさなど、比較することで狭い視野が少し開けた気がします。
ウンドゥルマンの教育病院の学生が、日本で産科医が不足していることについて質問されたことです。その学生はたまたま来た私の日本についても知っているのに、私はスーダンも日本もよく知らず、情けない気持ちででいっぱいです。自分の国と相手の国を知るのは礼儀だと、礼儀知らずなわたしは感じました。
この研修を共にした人たちのよさに助けられました。社交的で元気なあべさんには私が思う以上に助けてもらっていたと思います。こばさんの、夢を持っていて疑問を突き詰めようとする姿勢を見て、将来の志望を持つことの明るさを見ました。同じ九州大学からきたしまさんは包容力あって包容されていました。一方私はぽーっとしていましたが、みんなとの生活でできるだけ何かしたい、積極的に働きたいと思うようになりました。
川原さん、忙しい中とにかくありがとうございます。スーダン生活だけでなく集団生活の魅力もありすごく濃いい時間でした。
海原さん、電話でしか接していないですが、受話器越しに優しさがびんびんでした。
霜田さん、川原さんとのからみが好きです。アシスタント頑張ってください。
岩間さん、スーダンの地にどっしりされていて、まるさんのいっていた以上の人でした。
モハメド、絶妙なコメントが忘れられません。モハメドの強さ・優しさの出る大学入学までの話は胸にきました。
まるさん、最終日のツアーありがとうございます。ふとしたときにやさしさ、熱さが伝わってきました。
ロシナンテスメンバーにはほんと感謝です。
研修お世話になりました。あっというまでしたが、中身はあっと言えないくらいで、これからの学生生活・医者生活でしっかりかみしめて消化していきます。ロシナンテスのみなさん体に気をつけて頑張ってください。