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スーダン2009.04.03

日本人学生スーダン研修活動 感想文4

報告:九州大学医学部5年   島垣 智成
研修活動内容
[2009年3月22日 @ハルツーム]
11時40分 期待と不安を胸にハルツームに到着。
空港まで何と、直接川原さんに迎えにきてもらい、昼飯にロシナンテス事務所にてそうめんを御馳走になった後、HACへとご挨拶。3月4日のICCからのバジール大統領逮捕の通知により、やはり国内の混乱は生じている模様だった。
夕方、霜田さんによるハルツームドライブ観光。初めてのAfricaの大地は新鮮すぎました。やっぱり、暑いよー!
[3月23日 @ハルツーム]
9時過ぎより、イブンシーナ病院へと病院見学へ。ここの病院は、日本のODAで建てられ、お金の流れとかはすごく気になりはしましたが、endoscopic、ERCP、X線、US、血液透析などなど、日本のものと型は古いけれども、ほとんど同種のものが入っていて、ここの設備、機材といったものには想像以上に良く驚かされました。アフリカの地で、ここまでの医療のスキルがあることにすごく感銘をうけました。
その後、ガダーレフの地元の医学生と、その一人の教授の家、イスラム医大病院にて交流。スーダンにおける医療体制、医者の社会貢献、賃金体制など社会全体をひっくるめて考えれたし、スーダン学生のモチベーションの高さ、勉強への熱心さに刺激を受けまくりでした。
夕方からは、地元の若い青年たちのサッカーの練習に参加するため、三田さんに連れられ、2時間ほど汗を流してきました。僕勝手な意見を言わせてもらうと、アフリカの選手は僕のイメージ通り、身体能力は高いけれど、まだまだサッカーの勉強が足りないなと感じました。例えば、試合ではシュートをなかなか打たなかったり、ゲームメイクにおいては前とか逆ではなく、後ろばっかり楽な方にパスをだすなど、すごく人柄とかがサッカーにも反映されているなって感じました。
[3月24日 @ハルツーム&ガダーレフ]
8時半からイブンシーナ病院にて内視鏡検査の見学。日本とやっていること、機材とかもほぼ同じで医療技術の高さにビックリ。スーダンの先生は、スーダン医学生に混じった僕らにも優しく指導してくれました。
15時にロシナンテスのご好意のおかげで、ガダーレフへのTravel Permissionがおりました。ものすごくありがたかった。
15時半にカルツームを出発→→→22時にガダーレフ ロシナンテス事務所に到着。この時、すごく話しに出ていた岩間さんと合流。雰囲気は何か深いものを感じました。
[3月25日 @ガダーレフ&シェリフハサバラ村]
朝飯に街のザラビアを御馳走になってから、午前中は、ガダーレフのPublic Hospitalの病院見学。こちらのムバラク先生に色々な科の現場をみっちり教えていただきました。小児科、整形外科、歯科などなど。小児科では、男の子の割礼の手術を見学したりと、見学の中身は盛りだくさんでした。都市の病院と比べて、病院の器具が不潔だったり、ICUにおいてO2ボンベの固定が不十分で危険だとか、いろいろと病院として不十分なところが結構見受けられました。
昼過ぎからいよいよ村へと移動し、夕方前に村へと到着。
村の長、ハサン一家に挨拶に行き、荷物を置いて、みんなで川へと歩いて向かったのですが、はてしなく川への道のりはありました。でもここの村の子供たちともじゃれあいながら、みんなでワイワイして自然と笑顔になれるし心の底から楽しめました。そして、何といってもアフリカの景色がとんでもなく拡がっていました。アフリカに来て本当に良かったって思える、涙もんの景色が何度も何度もありまくりでした。
川から帰ってきて、夜は村の会議に参加。お偉いさんが集まって、村の水タンクのことなど、村の大事なことを、最後に各々の署名を取る形で決めていくという、すごく良い会合をしていました。
夜は満天の星空のもと、夢見心地で流れ星を探しまくっていました。この星空は感動的でした。
[3月26日 @ガダーレフ&シェリフハサバラ村]
村では、朝はかなりの冷え込み。感覚的に、昼間は40℃を超えているだろうけれど、朝とかは10℃程度。この昼夜の気温の差はこたえました。
朝は村からガダーレフの事務所に戻り、ガダーレフ病院の先生のもとで朝食を御馳走になりました。それから、その先生の指導のもとガダーレフの医学部の大学へと見学に行きました。説明好きな先生で一つ一つ人体の解剖や器具など、しつこいくらいに丁寧に教えてくれましたし、図書館、実験室、解剖室など案内してくれました。図書館でみた、ここの医学生が英語の医学書を広げ、熱心に勉強している姿は、同じ医学生として刺激的な光景でした。
夕方17時くらいに村へと戻り、外で村の子供たちとサッカーとかしながら楽しみました。子供たちの無邪気さ、つぶらな瞳、笑い顔など、いろんなものに心が癒されました。
この日の夜は、流れ星を何と2個見ることができました。
[3月27日 @シェリフハサバラ村]
朝はバタバタ起きて、ラクダのお乳を飲みに車で出かけました。ラクダの搾りたて牛乳は栄養満点らしいし、あまくておいしかった。ラクダの大群や、帰りの途中、遊牧民とも出会ったりもしました。ここではそういったことや、360度まわり全てが地平線まで見渡す限り同じ景色で、広大なアフリカ大地といったものに感動しました。
10時半にいよいよ村を出発し、16時半にカルツームのロシナンテス事務所に帰ってきました。そして17時から女子スーダン代表との親善試合。
かなり試合はテンションが上がりました。JICAの人、署長さんなど、普段自分にとって会うことのないであろう人たちと日本チームとして戦いました。前半1-3と劣勢にたつも、後半川原先生のゲキのおかげもあってか、結局7-5と日本チームの勝利!かなりエンジョイすることができました。             夜は、リビアの貝型の高級ホテルでの勉強会に参加。朝まで村での原始的な生活だっただけに、このギャップには驚きでした。内容は、GITにおける内視鏡の長崎大学の論文発表やら、症例発表、クラリスロマイシンの薬の製薬会社の説明といったもの。ここの体験ではすごく日本の医療はしっかりしているし、世界に誇れるものなんだなってのを改めて感じることができました。
[3月28日 @ハルツーム]
この日はサッカー三昧な1日!
8時から、三田さんがコーチしている、10歳過ぎを対象とした少年サッカースクールのコーチへ参加。40人くらいの子供をうまく二つに分けて、練習をしっかりと2時間くらい行っていました。今回のこの経験では、すごく自分が小学校のときにサッカーをしていた頃を思い出しました。無邪気に何の曇りもなく、ボールを追いかけていたあの頃のことを。
昼からはロシナンテス事務所のTVで、日本代表のバーレーン戦をみんなで応援し、その後Dr.サユリさんの家に御馳走になりに行ってきました。
そして夕方から、僕の中でのかなりのビッグイベント、スーダンvsマリのW杯最終予選の初戦の観戦へ行ってきました。代表戦を見に行くのは初めての経験だったので、何もかもが新鮮ですごくエキサイティングなことだらけでした。試合内容としては縦に大きく蹴ってばかりのすごくアフリカっぽいサッカーだったけど、スーダンが1点追いついた時のテンション、スタジアム全体の熱狂はものすごいものがありました。結果は1-1のドロー。結果はもう一歩だったので、残念だったけれど、一緒に応援していたスーダン女子チームの人たちも、みんな元気に良い顔で応援したり騒いだりしていたし、すごく楽しい経験をさせてもらいました。
[3月29日 @ハルツーム]朝から、事務所でロシナンテスの手伝いをしていた丸ちゃんによる、丸ちゃんツアーへ。オンドルマンやカルツームの街へと買い物に行ってきました。その際には今まで利用していなかったバスを利用して向かったりと、たくさん街の活気を感じまくってきました。
午後からはPrivateのFEDAIL HOSPITALへ病院見学に行き、様々な病院の設備、施設を案内してもらいました。設備、人事といった、この病院の高度な医療体制には驚きました。
その後Iイブンシーナ病院の内視鏡の先生たちとの昼飯に出かけ、研修は終了でした。
研修を通じて学んだこと、感じたこと   
私にとって、上記で感想みたく活動を書いているが、ここスーダンでの生活全てが本当に本当に大きな研修そのものでした。この実際に見て感じた一瞬一瞬を大事にして生きていきたいと感じました。
この研修において感じたことを、大きく3つに。
?日本の医療の素晴らしさを改めて実感することができた。
スーダンにおける医療体制、法制度、施設などの医療基盤の未熟さ、スーダンの中央と地方との格差などなど、実際目で見て、肌で感じ、色んな人の話しを聞いていると、ものすごく日本の医療は世界に誇れるものなんだなって、今まであまり大学では、他のことに夢中になって医学の勉強をあまりしてこなかった自分としては感じました。もったいないいし、自分に情けなく感じました。
でも今気づけたのは良かったと思うので、これから日本に帰ってからはしっかりこの気持ちをかみしめながら、頑張っていきたいと思いました。
?スーダン人の人柄の良さは天下一品!
スーダンでの生活を経験して、ちょっとの間の滞在だったけど、すごく自分の心が穏やかになったと思いました。なぜなら、ここの生活では自分の殻にこもりこむことはないから。
何がいいって、ここでは知らないやつでも、目と目が合うと”サラマレーコム”って言って握手をして挨拶する。何気ないようで、めっちゃいい行動だなって思いました。人ってもんは、つながりで出来ているっていっても過言ではないと思うんで、触れあうってのはやっぱり良い。日本ではそれがどんどん薄れていることが寂しすぎます。当たり前のことを忘れてはいけない。
?サッカーは世界共通で、言葉いらずで仲良くなれる!!
自分はすごく英語が下手くそだったけれど、サッカーの時だけは、スーダン人の前でも胸を張ってイキイキと自分を出すことができました。女子サッカー親善試合、スーダン代表戦など、ものすごく熱くなれました。
でもまた、ものすごく英語力の重要性も強く感じました。読めるんだけど、話したり聞くことが下手くそすぎでした。悔しかった。話さないと相手の思いが分からないし、自分の意志をも伝えられない。もっと勉強します。
本当にスーダンへ来てよかった!色々な人に、場所に、景色に、環境に刺激を受けまくりでした。
一緒にロシナンテスと共に行動させてもらったこの約10日間は夢のような楽しい時間でしたし、しっかりと自分のこれからを考える貴重な時間となりました。本当に頼りがいのあるキャプテン川原先生の下、川原先生の大きな背中を見ながら、ロシナンテスのみなさんが突っ走っている姿はめちゃくちゃかっこよく思えたし、すごく温かい風がみなさんの中に流れていて、そんな家族みたいな温かさに触れてすげぇ、心地が良かったです!!!最後になりますが、川原先生をはじめ、ロシナンテスのスタッフの霜田さん、岩間さん、海原さん、三田さん、モハちゃん、丸ちゃん、そして一緒に行動を共にできた阿部ちゃん、べっきー、こばちゃん、本当に本当にお世話になりました。たくさんありがとうございました。感謝感激雨あられです!
またこれからもよろしくお願いします。