HACへ出頭 with ハサン
前回のHACとの協議で「村のコミュニティリーダーを呼べ」との
お達しを受けましたから、村からハサンと学校の先生でもあるオスマンの二人が
遠路バスの乗って、ハルツームまでやってきました。
私なりのおもてなしをしないといけませんので、ハイビスカスティを入れ(砂糖はたくさん入れます)
何か食べるものをと思い、せっかくなら日本のものを出そうと
「かりんとう」
を出します。
これは、一袋一気に食べてしまいました。
面白いもんだなあと、次は海苔巻き煎餅を出しました。
これは、ひとつ食べたところで「もういらない」となりました。
食事に、そばを作りましたが、席に着こうともしません。
そこで、「俺はいっつもハサンの家のものを食べているじゃない、せっかく俺が作ったんだから食べてよ」
というと、ほんの少しだけ口にし、そのあとは全く食べませんでした。
彼らは、食事に関して本当に保守的です。
これは、村の人たちに限らず、スーダン人全般に言えることです。
日本に連れて行くと、食べるものでいつも頭を悩ませます。
さて、次の日HACに行きます。
HACは中央政府の省庁です。
これが、極めて遠くの辺鄙な村の小さないざこざに口を挟むのですから、面白いものです。
日本での山奥か離島の村のいざこざを霞が関で裁こうというようなものですから。
村側、ロシナンテス側からの事情聴取です。
前回は私一人にHAC5人でしたが、今回はHAC3人に村人2人、ロシナンテス4人と強力な布陣を引きました。
最強の岩間さんも一緒ですから助かります。
さて、村人の悪いところで、行政府の前に出ると自分の正当性を強調しようと
誰かをスケープゴートにして陥れようとします。
そのターゲットがロシナンテスのスーダン人スタッフになります。
それについて、こちらでも見解を述べました。
もちろん、我々はロシナンテスのスーダン人スタッフの正当性を主張します。
まあ、こんなことを延々と2時間以上繰り返し、最後にHACが村のコミュニティに
誓約書を出せと命令を下します。
「我々村のコミュニティは、ロシナンテス(日本人でなくスーダン人スタッフも)の身の安全を守ります」
というものだ。
村のコミュニティは、ロシナンテスの医療スタッフに常駐してもらうことを期待しています。
ただ、期待すると口にするだけではだめで、行動に示してほしいと我々は願っています。
具体的には、スタッフの住居となる小屋周辺に塀を作って欲しいということです。
以前これを依頼したときには、ハサンがとげのある木を集めてきて、それを現在も塀として使用しています。
ただ、村ではこれは家畜の塀として使用されているものです。
当然の如く、医療スタッフは不平を述べます。
これを村でなんとかしてくれと願っているのです。
村人の共同作業で塀を作るとか、自分たちでできないのであれば、役所に頼むとか
何らかの行動を示してほしいのです。
この件でHACがコメントをくれました。
ロシナンテスはコンテナを持ってきて、それに発電機をつけて
エアコンをまわし、快適な空間を提供すればよいのではというものです。
私は即座に「それでは村の文化を壊してしまう」
と述べました。
イヤー難しいものです。
どうすればよいのか、答えは今のところありません。
また、診療所に行き、話し合いです。
川原尚行