特定非営利活動法人ロシナンテス

活動報告ブログ

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スーダン2009.01.30

臨床工学技士3

昨夜、綺麗な星空を見た後は、日の出がみたいとの希望があり、
早朝に、川まで行き、朝日を拝みました。
これまた、綺麗なお日様でした。
その後、急ぎガダーレフに向かいます。
講習2日目です。
透析関係の講習です。
講義の中でわかったのは、透析患者、施設に関して、
スーダンでの透析の現状は日本の約30年前に同レベルでありました。
スーダンは日本と同様に患者は無料で透析を受けられます。
日本では、透析を導入してから20年あるいは30年でも生存する方もいらっしゃるようです。
スーダンでは、水処理などの関係もあり、平均7年程度の生存のようです。
スーダンの中では、透析は比較的よく管理されており、臨床工学技士、看護師が共同して
良く働いていました。
午後より、問題の高額の呼吸器です。
まずは、酸素とつながなくてはいけません。
ここでは、中央配管がされていないので、ボンベから減圧機を通して酸素を供給しようと試みます。
しかし、チューブと減圧機の口径が合わずに、苦戦ののちに、何とか接合します。
酸素を流すと、「ボン!」と衝撃が走ります。
接続がうまくいっていなく、さらに減圧もかかってなく、チューブがはずれたのです。
そこで、減圧機を交換し、チューブもとっかえひっかえしながら、接続のところの
留め具のねじを回すドライバーがありません。
ナイフを持ってきたり、その辺にあるものでねじを締めますが、うまく締められません。
「君たち、臨床工学技士なら工具くらいはそろえなさい!」
と強く言うと、自分の持ち場所から工具をやっと持ってきます。
セクションが違うと、また自分の管轄外では、自分の工具をだしません。
ようやく(ここにくるまで2時間はかかりました)、酸素ボンベと呼吸器が接続されます。
まさに、継ぎ接ぎでの接続です。
呼吸器の仕組みがよくわからないので、日本の代理店の人と電話で連絡を取ります。
日本の代理店の人も大変です。
夜中なのに対応してくれました。
なんどが、テストチェックを繰り返し、アラートをクリアにし、最後の最後に
動作可能な状態になりました。
そして、スーダンの臨床工学技士に使用方法を教え、
また日本の代理店から英語版の使用説明書を取りよせ、スーダンに送付するよう約束しました。
これで、一安心ですが、ふと考えます。
もちろん、この病院の状態に全くあっていない医療機器をスーダン側が注文するのも問題ですが、
これを売るほうも問題があると思います。
メーカーの人は、この環境でこの呼吸器はうまく使いこなせないのは、すぐに理解できるはずです。
それを知っていて、売りつけるのは、メーカー側の責任が大きいと思います。
自分たちの利益だけでなく、病院側の事情もよく考慮してほしいものです。
病院は、この呼吸器を使いこなせるのでしょうか?
それも、見ていきたいですね。
器械だけ突出しても、医療の全体のレベルが向上しないことには、この器械を使いこなせないと思います。
これで、講習会の終了です。
ロシナンテスと保健省の修了証を渡します。
私が修了証を渡しますが、その際に、きちんと右手、左手、そして頭を下げて受け取るという日本式を教え
その通りにやってもらいました。
みな、晴れ晴れとした顔をしていました。
講習会が続き、スーダンの臨床工学技士たちが羽ばたくことを望みます。
いやー、通訳の仕事、疲れました。
川原尚行