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スーダン2020.08.13

抗議行動散発で感染拡大への不安も、スーダンにおける新型コロナの状況

日本でも新型コロナの感染者数が再び増加傾向にあり、日々報道されていますが、前回スーダンにおける新型コロナの状況をご報告したブログより約3か月半が経ち、スーダンの状況も変化していますので、最新の情報をご報告したいと思います。

 

スーダンにおける新型コロナの状況

8/11現在、報告されているのは、感染者11,956名、回復者6,266名、死亡者781名です。5〜6月頃は新規報告者数が急増していましたが、最近では、新規報告者数は減少傾向に転じています。しかしながら、現在もPCR検査の陽性率は10-30%前後(全国平均)を推移しており、陽性率は依然高く、検査を受けていない感染者、回復者、死亡者が多数いる可能性もあるのではないかと感じています。

社会の様子としては、首都ハルツームで行われていたロックダウン(都市封鎖)は緩和され、7/8以降は夜間の外出禁止が続いています。事業地のある州の外出可能な時間は、ハルツーム州が6〜17時、北コルドファン州が6〜18時となっています。外出制限の緩和と同時に官庁や商業活動も段階的に再開している状況です。学校の授業はまだ再開されていませんが、卒業前テストや進級テストが実施されています。宗教施設での礼拝も再開されています。

国境の状況としては、7/10以降、ハルツーム空港で一部の国際便が再開し、帰国できなくなっていたスーダン人が帰国できるようになりました。しかしながら、外国籍者の入国は制限されており、大使館等の特定の組織に所属し、スーダンの外務省の許可を取れた場合のみ入国が可能という状況です。

 

生活への不満で抗議行動が散発、感染拡大への不安も

スーダンでは2018年12月から全国各地で政府への抗議行動が続き2019年4月の政変へとつながりましたが、政変後も経済は不安定で、国民は苦しい生活を続けています。

電気事情として、最近は1日に10時間前後も停電するような日々が続いています。元々供給が足りておらず、エアコンを使うような時期は特に停電が多い印象がありますが、政府の発表によると今回の電力不足は、新型コロナの影響でドイツとインドのエンジニア系の会社が退避し、主要な発電所の保守作業が停止していることに起因するそうです。

ハルツームを含め各地で豪雨による水害といった自然災害も発生しています。8月頭には、ロシナンテス事務所の近くにあるスーパーの床上浸水の様子や、青ナイル州のダム決壊で民家600軒以上が損壊、といった被害が報道されていました。毎年この時期には水害に見舞われるスーダンですが、現地スタッフによると、今年は例年に比べて被害が大きいとのことです。

このような状況が続き、生活が改善されないことを発端に各地でデモや座り込みなどの抗議行動が散発しています。そういった場は十分な感染対策が取りづらい環境になりやすいため、感染拡大につながらないことを祈っています。

 

保健省から発表される新規感染者数は減少傾向ではあるものの、段階的に行動制限が解除され、社会活動が再開されることによって感染拡大のリスクも上がることになります。引き続き、スーダンの新型コロナの状況を注視していきたいと思います。

 

ロシナンテスの事業地における新型コロナ対策支援の様子はこちら