ザンビアにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況
世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、ザンビアにも大きな影響を及ぼし始めています。これまでの経緯を簡単に振り返ってみたいと思います。
感染状況
5月1日現在、ザンビアでの感染者累計は106人、うち55人は回復、3人が亡くなりました。今のところ、感染者のほとんどが首都のあるルサカ州で確認されています。
ザンビアで感染者が初めて確認されたのは3月18日。フランスから帰国した夫婦でした(計2例)。22日、3例目となるパキスタンからの帰国者の感染を確認。25日に行われたエドガー・ルング大統領の会見で、ザンビア国内で初の市中感染が発表されました。
4月2日、初の死者が報告され、19日にはルサカ市内の病院でCOVID-19患者の対応に当たっていた医療従事者の感染が明らかになりました。24日時点で、15人の医療従事者の感染が確認されていました。
ザンビア政府の対応
3月25日の会見で、大統領はCOVID-19対策措置の強化を発表。外国からのウイルス流入予防のため、全ての国際便の発着をルサカ国際空港に限定し、渡航者に対し症状別に検疫措置を敷きました。
国内での感染拡大予防のため、レストランは持ち帰りや配達のみの営業とし、特定の商業施設(バー、ナイトクラブ、映画館、ジム、カジノ)の閉鎖を指示した他、公共の集会の参加者を最大50名までに制限。この措置は3月26日からの14日間および、期間延長により合計28日間実施されました。予定された実施期間終了後の4月24日、大統領の会見で一部変更が発表されましたが、ほとんどが継続されています。
保健省は、3月25日の対策措置の発表以来、チタル・チルフヤ保健大臣による会見を毎日実施。会見の模様は保健省のFacebookアカウントからライブ配信され、ザンビア国内の感染状況が日毎にアップデートされています。
まちの様子
3月頃から、ルサカの様子は目に見えて変化しました。
スーパーマーケットの入り口では、警備員が消毒用のスプレーを手に待ち構えていて、来店客の両手にたっぷり吹きかけます。スーパーのレジ前や銀行の窓口などでは、並ぶ位置を示すため等間隔に貼られたテープにより、お客さん同士のソーシャル・ディスタンシングを徹底。
町なかや店内では、COVID-19対策を文字と絵で分かりやすく説明したポスターを掲示がされています。このポスターは、誰でもダウンロードできるよう保健省がホームページに掲載しているものです。
また、マスクが身近なものではなかったザンビアでマスクを着用すると、以前は目立っていたのですが、今では町じゅうの人々がマスクを着用しています。これにはルング大統領が4月半ばに「公共の場でのマスク着用は義務である」と表明したことも影響しているかもしれません。
COVID-19といかに向き合い、被害を最小限に抑えられるか。難しい局面は、まだ始まったばかり。爆発的に感染が拡大しないよう、心から祈ります。私たちも、今できることは何か考え、行動していきたいと思います。