特定非営利活動法人ロシナンテス

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スーダン2019.09.06

「医」と、文字の読み書きと、計算と

こんにちは、事業部の堺です。多くの学校では夏休みが終わり、新学期が始まりましたね。

私は子どもの頃、本を読むのが大好きで、小学校で一番好きな教科は国語でした。物語の登場人物の心情を想像したり、新たな知識を習得したりすることに、とてもわくわくしていた記憶があります。当時の私にとって、学校に行って授業を受け、家に帰れば宿題をすることが、当たり前の日常でした。しかし、世界に目を向けてみると、それは必ずしも当たり前ではないようです。

スーダンのコーラン学校で勉強する少年(写真 / 内藤順司)

文字の読み書きや計算ができない人々を「非識字者」と呼びます。世界では、2016年の時点で、15歳以上の非識字者が7億5千万人以上(*1)いると言われています。

スーダンやザンビアが含まれるサハラ以南アフリカは、非識字者が特に多い地域の一つと言われています。ロシナンテスは「医」を届けることをテーマに、巡回診療や診療所建設、給水所建設などを行ってきましたが、こうした活動は教育とも密接に関係しています。

ザンビアの村落部では、住民の中から選出されるヘルスボランティアが医療において重要な役割を担っていますが、彼らは基本的に文字の読み書きができる人々で構成されています。識字能力を身につけた人々の活躍により、地域の医療が支えられているのです。

また、スーダンのオンムサマーマ村の井戸が完成した際、8歳の少年が「この水場が出来て、家から近くなりました!お父さんは、来年から学校に行っていいと言ってくれました!」と話してくれました。村に給水所ができたことにより、今まで多くの時間を要していた水汲みの時間が短縮され、学校で勉強する時間ができたのです。

私たちには、医療や教育、水など、数多くある問題を一度に解決する力はありません。しかし、私たちにできることを続けることで、こうして他の分野によい影響が出ることもあります。

今月9月8日は「世界識字デー」。識字の重要性を世界に訴えかけるため、1965年にユネスコが制定しました。以来、国際組織やNGOなど様々なアクターが、世界識字デーに合わせて情報発信や啓発イベントを行っています。

オンムサマーマ村でインタビューに答えてくれた少年をはじめ、地域の子どもたちが学校で読み書きや計算を習得し、やがて成長して、地域の人々のために活躍できるよう、私たちも目の前のことにひとつひとつ取り組んでいきたいと思います。

 

(*1)出典:ユネスコ統計研究所 http://data.uis.unesco.org/