申請書提出
通常であれば、申請書の提出は、
「よろしくお願いします」
「では、後日質問等をさせていただきますので、ご回答のほどお願いいたします」
という感じでしょうが、
今回は、村から代表者3名を連れてきています。
「書類審査もあるが、この提出時も面接みたいなものだから、
きちんとしなければいけないよ」
と口を酸っぱくして言っていました。
朝から、申請書を3人で読み合わせています。
そして、お祈りをすませ、
「ヤッラ(さあ、いくぞ)」
と出かけていきました。
今回の代表であるハサンは以前大使に大使館でお会いしたこともあります。
そのときは、なんと腕にナイフを巻きつけて入っていきました。
セキュリティチェックは、全く機能していませんでしたが、私が横にいますし、
まず問題はありませんでした。当たり前ですが。
今回も、セキュリティを通過する際に、
「ナイフは持ってないよね」と確認をしました。
いろいろと大使館の方に質問を受けましたが、彼らも一生懸命に答えていました。
このまま、申請が通るわけではなく、いろいろとやり取りがあった後に、最終的な判断が下されます。
今回の申請は、女子学校の増築です。8学級ないといけないところが、
この村には3学級しかないのです。
ただ、建物を作ればよいというものでもありません。
女の子を学校に行かせるための家庭内の協力も必要です。
水汲み作業や家庭内の仕事は小学校の中学年くらいから女の子がやるからです。
その辺の村人の理解が口だけでなく、実行されるようにしなければいけません。
診療所に村出身の女の子を看護師として働かせようとしても、誰も該当者がいません。高校を卒業してからでした、看護師養成学校に行けないのです。この村では、小学校すら全学年そろっていませんから、なおのことです。
将来、この村の女の子が頑張って勉強して、この村のために診療所で働いてくれていることを夢見ます。
今日がその第一歩となることをお天道様にお祈りしましょう。
川原尚行