特定非営利活動法人ロシナンテス

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スーダン2008.07.15

想像力?難民

スーダン難民のサンティノ君と出会ったのは、2005年の9月にケニアの難民キャンプを訪問した時でした。
まだ19歳の彼がキャンプに着いたのは2000年。
当時内戦中のスーダンで、村が突然武装集団に襲われ、家族と離れ離れになって逃げ延びて来たそうです。
今キャンプで誰と暮らしているのかと尋ねると、2年前に姉が一人キャンプに到着したとのこと。
でも他の家族は未だに消息が分からないそうです。
そして更に、2年前に姉が着いたことがどうやって分かったのかと彼に尋ねました。
その答えを聞いた時、私は思わず涙が出そうになりました。
彼はキャンプに新しい人々が到着するたび、名簿の中に家族の名前を探していたそうです。
私が思わず込み上げたのは、4年目にしてようやく名簿の中に家族の名前を見つけた時の彼の気持ちを想像したからです。
スーダンのことを語る時、犠牲者や故郷を追われた人々の数は何百万人といったことが語られます。
日本では一人の子供が悲惨な殺され方をすれば大きく報道されるし、他の国でも地震や災害で何百人、何千人と犠牲者が出ればニュースになります。
ですがスーダンでのことは中々報道されてきませんでした。
そしてたまに小さく報道されても、或いは情報に接しても、何百万人という数は規模が大き過ぎて私はピンときませんでした。
想像力の限界を超えていて、聴いただけでは涙ぐむには至らないのです。
難民キャンプを訪問したのは、そんな何百万人の内のたった一人でも良いから、その声を直接聴くためでした。
ニュースや情報を通して「知る」のではなく、相手の声を直接聴くことが如何に大切か、実感することの出来た経験でした。
いわま