特定非営利活動法人ロシナンテス

活動報告ブログ

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スーダン2008.07.09

スーダン帰任

あわただしい日本での行事を終え、いつもに比べてほんの少しだけ余裕をもって
日本出発の準備を終えました。
今回も福岡空港から関西空港ではなく、小倉駅から新幹線と「はるか」の
乗継で関西空港へと向かいます。
長男と長女はクラブ活動があるために、見送りには来られず、
佳代とあっこ、それに海原家族が見送りに来てくれました。
相変わらずの荷物です。20キロ以上あるスポーツバッグ、
段ボール3個、コロコロのついたバッグ、それに手提げカバンの6つの
荷物を運ぶ予定です。
事前に宅急便で空港まで送ればよいものの、貧乏性がたたって
自分で持っていけばいいやん!
と宅急便では送りませんでした。
みんなに見送られ、新幹線に乗り込みました。
いつもより余裕があった分、すがすがしい別れでした。
新幹線に乗った後は、がらになくメモ帳なんかを取り出し、
日本で仕残したこと、スーダンでやるべきことなどを書き込んでいました。
自分でも、なかなかやるなあと感じ入っていたところでした。
ふと、飛行機のチケットが気になり、確認しました。
出発時刻は、7月6日午前0時25分です。
私は数日前に航空会社まで連絡してリコンファームを行いました。
確かに出発は日曜日です。
あれっ!今は確かに日曜日ですが、時刻は19時すぎです。
もしかして!!!!
乗継便を見ると、7月6日13時です。
そうです、もうとっくに飛行機は飛び立っているのです。
私は、日にちを一日読み違えていたのです。
「ガーン!!!」
携帯電話は、もう私の手元にはなく、覚えているのは佳代の携帯番号と
家の電話番号のみです。
佳代に新幹線から電話をかけます。
すると、新幹線からの携帯電話は、ドコモしかかけられないとのこと!
佳代のはソフトバンクです。
しかたなく、家に電話します。
すると、佳代はまだ家に帰ってなく、息子がでてきました。
息子に事情を話しました。
前回の日本出発の際は、時間がなく新大阪駅で重たい荷物を全身に結びつけて、
ホームを走り、関西空港でも同様にカートをかっとばし、なんとか間に合いましたが、
今回は、完全な不戦敗です。
私は焦っても仕方ないので、新幹線のなかでビールを飲むことにしました。
しばらくして、再び新幹線から家に電話をかけました。
すると、佳代が出てきて、
「海原くんが一生懸命に手配してくれて、今日の飛行機には乗れそうよ。
でも、次のフライトがないかも、とにかく海原くんに感謝して」
とのことでした。
ちなみに、佳代は新幹線に呼び出しの電話をかけたそうですが、
以前のように呼び出しのサービスはないそうです。
昔はよかったなあー
ということで、ひとまず安心して再びビールを飲み始めました。
さあ、新大阪駅です。
今回は乗り換え時間が20分もあります。
荷物は、6個!
尺取り虫作戦の開始です。
荷物を2グループに分け、1グループをもって十数メートル走り、
また戻ってきて、次のグループを持って走ります。
最初は、余裕を持っていたのですが、合計の重量が60キロ近くもあり、
そのうちに、大汗をかいてきました。
そうです、通常に行くのより行って帰って行くのですから、3倍もかかるのです。
貴重品の入ったバッグもあるので、置き去る荷物はなるべく、警察官や駅員あるいは、カップル(なぜカップルかはわかりませんが、その時は安全な感じがしました)の横に置き、荷物の安全に心がけました。
ようやく、「はるか」のホームにつきました。
大汗をかいているので、ポカリスエットを飲もうとホームの自動販売機へと向かいます。
150円でしたので、200円を入れて、ポカリのボタンを押すと、おつりが
「チャリン」と50円返ってきます。
そして、肝心のポカリが、
「出てきません!」
こんなに、大汗をかいたあと、そして時間もありませんが、
このままでは引き下がれません。
駅員さんを呼び出し、なんとかしてくれと
頼みますが、自動販売機は我々の管轄外と言われます。
向こうから「はるか」がやってきています。
私はどうしてもポカリが飲みたく、駅員さんに
「荷物をみとってください」
と駅の売店まで走り、売り子のおばちゃんからポカリを買うことができ、
また重たい荷物を抱え、「はるか」に乗ることができました。
「もう、機械は信用しないぞ!」
と強く決心しました。
関西空港駅につくと、心強いカートがあります。
これに荷物を乗っけて、やっとのことでラクラクになります。
そして、今度搭乗するカタール航空のカウンターへ
「すいません、乗り遅れてしまって昨日のチケットですが、今日使えますか?」
「さきほど、事務局の方から連絡がありました。今日ドーハまでは乗れますが、次のドーハからスーダンまでが満席です。この便は大変込み合っており、次のフライトは20日すぎになります」
「大事な仕事があるので、どうしても13日前にはスーダンにたどり着きたいのですが、何とかなりませんか」
「お客様の航空券は格安航空券なので、優先順位が最下位となってしまします。そのために20日すぎとなります。ドーハでお待ちになるとホテル代もかさみますので、日本での待機をお勧めします」
「ガーン!!!」
今までの疲れがどっとでたようです。
もう気力も残ってなく、とぼとぼと空港内のホテルへと歩き、幸いにも空き室があったので、
そこに入り込み、とりあえず寝ることにしました。
翌日、家に電話をし、状況を伝え、とりあえず家に帰るからと話しました。
私は、飛行機で帰ろうか、新幹線で帰ろうかと迷っていました。
そのまえに、スーダンでお会いしようと予定していた方の秘書さんに、電話をしました。
その秘書さんが
「私が何とかするから」
と言われ、それではとホテル内で待機していました。
私は再び睡魔に襲われ、秘書さんからの電話で起こされました。
もう11時30分でした。
ここの旅行代理店に電話してくださいとのことでした。
そこで、裏ワザを教えられました。
できるかどうかわかりませんが、やってみますとのことで、
空港へ行き、言われたとおりにすると、
なんと、その日に飛び立つことができることが判明しました。
旅行代理店の方によると、これは多少のルール違反もあるので
詳細は述べません。
いったん、福岡に帰ろうとしていたのが、そのままスーダンに行けると決まり、
だらけた気分を引き締めました。
佳代に電話をしたところ、
「本当に人騒がせな人!
飛行機に乗り遅れるは、帰ってくると言っては人を喜ばせ、
そして帰らないまま行くのね!」
そのとおりです。私は本当に人騒がせです。
というわけで、無事に飛行機に乗ることができ、
スーダンに舞い戻ってきました。
岩間さんと向井さんが空港に迎えに来てくれて、
家では、霜田君がポテトサラダを作って待っていました。
そして、ハサン、モハメド、ラビア、ハフィーダ、イプティサムから電話があり、みんなから私の無事を喜ばれました。
スーダンに戻ってきたことを実感しました。
また、スーダンで頑張りますので、皆様も応援よろしくお願いします。
川原尚行