特定非営利活動法人ロシナンテス

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スーダン2018.11.13

アルセレリア村 井戸改修工事の完了

こんにちは、スーダン事務所の令官です。日本では秋も深まる頃でしょうか?スーダンも冬になり、昼間は気温30度を超えますが、朝夕は19度くらいまで下がり、ひんやりとした風を心地よく感じる季節になりました。

ご報告が遅くなりましたが、9月に、アルセレリア村の井戸の改修が完了いたしました。

アルセレリアは、皆さまより多大なご協力をいただいた「土とレンガの診療所プロジェクト」によって建設した1棟目の診療所のある村です。事務所のあるハルツームからアルセレリア村までは、このような未舗装の道を数十キロ運転して辿り着きます。

写真 / 内藤順司

こうした村落部には、給水設備が整っていない地域がまだ多くあります。炎天下、子どもたちが茶色く濁った池の水を汲みにいき、その水を飲んだせいで下痢をする、水を媒介とした感染症を繰り返すというのはよくある話です。きれいな水にアクセスできないと、診療所が完成し病気の治療をできるようになってもまた病気を繰り返してしまう……診療所の完成後、この地で人々が清潔な水を利用できるようにしようと決めました。

アルセレリア村の診療所の近くには、故障により長く使われていない井戸がありました。水源調査を実施したところ十分な水量が確認できたため、この井戸を改修することに決め、井戸の再稼働に必要な発電機、貯水タンク、送水管、水汲み場などを新たに設置しました。

工事自体はさほど大掛かりなものではなかったのですが、完成までには長い年月がかかりました。複数の業者から工事にかかる見積もりをとり交渉を重ねるうちに為替レートが変動し、輸入部品・材料費が値上がりし再度取り寄せが必要になったり、国内の現金不足により銀行からお金を引き出せない建設業者は材料を調達することができなかったり、材料が調達できたと思ったら現場まで運搬するための車両燃料が調達できなかったり。「“完成”したからいつでも見に来て!」と建設業者から連絡を受け、逸る気持ちを抑えつつ現場を訪問したところ壁塗り作業続行中の職人さんに遭遇し唖然としたり…予定していた完成日を大幅に遅れての“完成”となってしまいました。

奥に見える白っぽい建物が診療所です。所轄官庁である水公社の職員と握手で完成を確認しました。

この井戸の改修により、周辺の住民を含む約3,000人がきれいな水を手に入れることができるようになりました。下痢を繰り返す子どもたち、水が原因の感染症にかかる子供たちが減ることを願います。今後はこの井戸の水を診療所に引いてくることで、診療所内でも清潔な水が使用できるようになります。

またひとつ、皆様よりいただく温かい思いが形となり、スーダンに「医」が届きました。改めまして、ご支援いただきました皆さまに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。