入職のご挨拶【宮崎 理恵】
はじめまして、宮崎理恵と申します。2018年10月にロシナンテスに入職いたしました。
皆様からのあたたかいご支援を、現地へ心をこめてお届けしていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
わたしは途上国支援に携わる仕事がしたいとの想いから、ロシナンテスに入職するに至りました。
途上国支援に興味をもったきっかけは、大学生の時に大学前で配られていた海外ボランティア募集のチラシを見て、夏休みを利用してカンボジアへ向かったことでした。
それが初の海外渡航でした。日本とは全く異なる雰囲気、言葉、文化に触れ、こんな世界があったのかと新鮮に思ったことを覚えています。
現地では、HIVにかかったために力仕事のできない村人に代わって畑を耕し、今後の収入源となる農地を耕作するというものでした。
しかし、現地の人からは感謝ではなく、
「そんなことをするくらいなら、今お金をくれ」という言葉をかけられました。
いいことをするつもりで行きましたが、全く善意が伝わっていないことを知り、
「途上国支援とは何か?」と疑問を抱きました。
その後、フィリピンの現地NGOにてインターンとして働く機会がありました。
その団体では台風などの災害で家と職を失った人々へ住居と職業訓練を行っており、実際にその住居に一緒に住み、職業訓練のサポートをしました。
一緒に暮らすうちに、徐々に災害や失業から立ち直っていく家族を見ました。
また村で暮らす中で、助けることよりもむしろ助けられることの方が多かったように思います。
またこの生活を通じて、”現地の人々は決して一方的に援助する相手ではなく、生活できる環境と学ぶ機会さえあればそれがきっかけとなり、あとは自立できる頼もしい存在だ”と気づき、将来は一方的な援助ではなく現地の人々と話し合いながら、そんな自立のための環境や機会を提供するような仕事がしたい、と改めて思うようになりました。未熟ながら、途上国支援について自分なりの見解を得た出来事でした。
大学卒業後は民間企業での勤務を経て、イギリスの大学院にて開発学を学びました。
そしてこの度、スーダンに「医」を届ける、当団体に入職することとなりました。ロシナンテスでは現地住民の要望を聞き、最終的に住民の手で管理することを目標とし、現地政府を交えて事業を進めており、現地の人々と一緒に事業を進めていけるという部分が魅力でした。
途上国は日本よりも貧しく、日本で当たり前に受けられる教育、医療などの様々な機会が制限されています。しかし途上国の人々は貧しいながらも彼らの築いてきた文化、伝統、地域社会のなかで暮らしています。
わたしは途上国を思い出すとき、貧しい質素な住居や、希望を失った人々の失意の表情を思うと同時に、一方でカンボジアの活発な子どもたち、牧歌的な風景、カラフルな花々や、ネパールの美しい伝統衣装、仏像に塗られた赤い顔料、フィリピンの勤勉で明るい人々の笑顔など、日本にはない鮮やかさも同時に思い出します。
わたしは彼らの築いてきた文化と生活を大切にしながら、その中で自立のきっかけや機会を提供し、それをもとに自らの手で将来を切り開いてもらうような支援をしていきたいと思っています。
これから、ロシナンテスの一員として「医」を届け、現地の人々が自立を目指す一助となりたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。
宮崎理恵